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Opera 6.01

Web ブラウザを Opera 6.01 日本語版に変えた。

Web ブラウザ?いまさら?という気は確かにするのだが、この Opera は久々に面白いブラウザ。面白いので、ここ数日間ずーっと使っていて、気が付いたら、Web で正規ユーザーライセンスを買っていた。別に金を払わなくても使えるのだが、フリー版はウインドウの右上に広告が出てしまう。気にしなければそれで済むの だが、なんかこう、スッキリしない、気になる。キャンペーン中につき、今ならライセンス料が 1,000円引き?なるほど、、。あー、簡単に買えるなぁ、、。おー広告が無いだけで、格段にスッキリしたぞ。いや、快適だなぁ。(別に読者の方に買わせ たいわけじゃないです)


さて、Opera はなんと、Internet Explorer、Netscape Communicator に次いで、世界シェア No.3 のブラウザ。とは言っても、上位の 2つで寡占状態なので、そのシェアは 0.67% だ。つまり、ほとんど無いって事。日本語がまともに使えず、最近まで国内ではマイナーな存在だったが、日本語版の登場で状況も変わると思う。なにより、出 来が非常に良い。

僕にとって、フリーソフトの精神とか、Microsoft の独占は業界の健全な、、とか、そういう話はどうでもいい。問題は、レンダリングエンジンが、どれだけ綺麗で安定しているかだ。今のところ、IEのレンダ リングエンジンは、数あるブラウザの中で、最も安定しているし、最も美しい表示をする。そのインターフェイスも含め、万人向けのWebブラウザとしての完 成度とバランスは、とても良い。

それでも、万人がいるところ、万人じゃない人がいる。そういうひねくれ者のために、何か良いブラウザは無いか。なんか、IE も飽きてきたし、、。


ポイントは、Opera のレンダリングというのは、IE に次ぐ綺麗さで、実用レベルに達してるということ。Opera を意識していない(大半の)サイトを、問題なく表示できる。

Opera のレンダリングエンジンは、IE に比べれば安定度に欠け、一部サポートされない機能があり、構文解析もちょっと弱いが、とにかく圧倒的に速い。速さがウリだったはずの Gecko を使った Mozilla よりも速い。そればかりか Opera は、ひねくれ者のインターネットヘビーユーザーが喜ぶ、様々な機能を持っている。特に気に入ってしまったのがマウスジェスチャー機能。

普段、Web で最も使う機能は、「進む」「戻る」「リロード」である。今までは、画面上のボタンを押したり、せいぜい、ショートカットキーを組み合わせたりして操作し てきた。マウスジェスチャーとは、これを、マウスだけでやってしまう機能だ。具体的には、右ボタンを押しながら←にマウスを少し動かすと「戻る」、→にマ ウスを動かすと「進む」、↓↑に動かすと「リロード」となる。僕の場合は、トラックポイントを使っているから、ほとんど手を動かさずに、Web ブラウジングが可能になる。

これは、ホイールマウス以来のエポックメイキングなアイディア。マウスジェスチャーに慣れてしまうと、時々他のソフトに向かって、意味のないジェス チャーを送っている自分に気が付く。実際、マウスジェスチャーと高速レンダリングを駆使して、矢のように Web を巡っていると(巡る必要があるのか?というのは別の問題)、もう他のブラウザを使う気がしなくなる。


他にも、超速いブックマーク編集とか、フォントの指定が細かく出来るので無敵とか、ポップアップウインドウを開かせない設定が便利とか、日ごろ「こ う出来たらいいのに、、」という機能が実装されていて気分がよい。デザインは端正なあっさり系だが、スキン対応だからいくらでも悪趣味にできる。やたら設 定が細かかったり、まだ Beta なので時々動きが怪しかったりして、万人に勧められるものではないけれど、とにかく久しぶりに面白いブラウザなのだ。

注1:Opera 6.01 beta 日本語版は、残念ながら いまのところ Windows 版のみ公開中です。
注2:ちなみに、羊ページは Internet Explorer 6.0.2600.0000 jp (Win32), Netscape 6.2.1 jp (Win32),Netscape Communicator 4.78 jp (Win32), Netscape Navigator 3.03 jp (Win32), Mozilla 0.9.7 en (Win32), Opera 6.01beta jp Build 1039 (Win32) の 6種類のブラウザで表示を確認していますので、たいていの環境で閲覧できると思います。
注3:ばん‐にん【万人】多くの人。すべての人。ばんじん。[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]

個人Web サイトの傾向

ところで、個人 Web サイトの傾向というのは、おおきく 2種類あるように思う。ひたすら文章などのコンテンツ充実を図ることを良しとする自己完結系。他のサイトと交流してみたり、目を惹くネタで人を呼んでみたりするのを楽しむ自己顕示系。

もちろん、どっちかというのではなくて、この 2つの傾向のバランスで成り立っているわけだ。羊ページは、多分、自己完結系の方に近いが、掲示板をつけてみたりメールフォームに凝ってみたりと、近年、 自己顕示系に歩み寄りつつある。これが極端になると、私はネットアイドルとか、他のサイトの書いてることに文句つけてみるとか、そういう風になるのだろ う。それも、悪いことではあるまいが。


何事も道は極めろ、とか、1位か 2位になれない事業は撤退だとか、まあ、そういう先達の意見に従うまでもなく、どっちつかずのサイトというのは、存続が苦しい。ネットアイドルとか、 Web日記で論争とか、やりきれないほどウンザリなサイトには、確かにアクセスがあるわけだ。

ところが、極めた先にも悲劇はある。孤高の自己完結系に限って寂しがり屋で寂しすぎて自滅閉鎖とか、お友達いっぱいの自己顕示系なのにネットでの人間関係がこじれて逆ギレ放置閉鎖とか、もう大変。

やっぱり、羊ページはほどほどでいくことにしたい。

注1.「ところで」という書き出しは、我ながらむちゃくちゃだと思う。
注2.じこ‐けんじ[自己顕示]自分の存在をことさらに目立たせること。「―欲」[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]
注3.閉鎖の原因のトップは、もちろん「思ったより、めんどくさい」なのでしょうけど。

羊ページの誕生日

もうすぐこのページの誕生日。

Web という、よく分からないものを使って、こんな長き渡り文章を書くことになるとは思わなかった。


6年前の冬、よく分からないままにこのページを書き始め、よく分からないままに続けてきた。個人がつくる Web ページは、その間にすっかり定着し、一つの文化になった。それが言い過ぎならば、より当たり前のものになった。昔は、Web に文章を書くには、まず、自分なりにその意味を考えなければならなかった。今は多分、書きたいから、という思いつきだけで十分だ。

しかし、個人が Web 上で文章を書き続ける難しさというのは、今も昔もそうは変わっていない。表現の制限ナシ、締め切りナシ、何もナシ。Web サイトというのは、今までの絵とか小説とか、そういう芸術とはちょっと違う。何万もの人間を相手にした、終わりの見えない大道芸。最近、そんな風に思う。

実際、プロでは無い人間が、これほど多量の文章を、不特定多数の人間に公開するようになったのは、おおげさに言えば、歴史上初めてのこと。本やCD や、テレビやビデオや、そういった複製芸術の進歩は、人間の生活をすっかり変えた。しかし、それすら覆す、「全ての人が全ての人に発信可能」というめちゃ くちゃな世界が、気が付けば目の前にある。


誰でもはじめられる、でも、多くの人がやめてしまう。

個人の Web サイトというのは、そういうものだ。Web に書き続けるというのは、あまり簡単なことではないし、誰もが Web で表現すべき事を持っているわけでもない。しかし、それを続ける人もいる。僕は、過去に何回かこのページをやめてしまおうと思った。しかし、やめられな かった。

表現する場所、というものが必要だから、多分、きっと、やめない。

なぜ表現し続けたいのかは、正直、分からない。ただ、続けることしかできない。表現を続ける意味、それはもしかしたら、人生の意味について語られる様々のことと似ているかもしれない。今、僕が考えつくのは、せいぜいそんなところだ。

注: だいどう‐げい[大道芸]大道で演ずる卑俗な芸。[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]