ネット&コンピュータの記事一覧(全 169件)

最後にDay One に落ち着く

4年前に Windows から Mac に乗り換えて、メモ代わりに何を使うかが、一番困った。この手のアプリケーションは、プラットフォーム依存しているものが多い。

iPhone と相互に同期できて、小さい文章を沢山手軽に管理できるもの。プレインテキストを気持ちよく書けるもの。求めることは、そんなに沢山では無いけれど、それだけに自分の好みにぴったりなものは、難しかった。


いろいろ試して、結局、今でも使って居るのは Day One だ。iPhone & Mac で何かを書くには、これが一番良い。Evernote は機能が多すぎる上に UI が全然好みに合わないし、Google げなノートアプリもやっぱり UI が馴染まなかった。なんかUIの事だけしか書いてないが、やっぱり文房具みたいに使うアプリの UI は大事だ。

Day One は厳密にはエディタというよりも、日記帳みたいなアプリだ。その時の自分の気持ちを書くのに良くて、長いものを書くのに使うわけじゃない。リリースされた当初は、いきなり落ちて書きかけのエントリーが消えて殺意を覚えたが、今は安定しているし、落ちてもめったにデータが消えなくなった。

iPhoneとMacで文章を書いて、iCloudやDropbox経由で同期される。このページの文章は、Day One でベースを書いて、それを WordPressの上で編集して仕上げることが多い。(このエントリーもそうだ)プラットフォームが異なっても、使い勝手が変わらないのが良い。

4年以上が経過した今でも、アップデートが継続され(しかも最初に買ったライセンスのまま!)、ランキングでも上位を維持しているので、安心して使える。


一時期、機能拡張みたいな方向に行きそうになって、気が気でなかったが、結局最低限の機能に絞る方針に落ち着いたようだ。記録してくれるのは、日付と場所と天気。画像も貼れるけれど僕は殆ど使わない。

もちろん、勝手に保存してくれるのも、Macらしくて良いよね。

静音性の観点で選ぶ、Time Capsule の外付けハードディスク

MacBook Air の SSD はそれなりに容量が限られているので、大きめのデータはすべて Time Capsule とそれにつなげた USB HDD に置いている。
Time Capsule の外付 HDD に関しては、実際に組み合わせてみたレポートが殆ど無く、あるいは役に立つかもしれないので載せておく。


それにしても、Time Capsule (MD032J/A) の外付けハードディスクの選択というのは結構難しい。そもそも Time Capsule 専用外付 USB HDD というのが見当たらない。つながるだけなら、まあ、何でもつながるのだが、使っていない時にちゃんと止まってくれるか、というのが分からない。

最初適当な 3TBのUSB HDD を買ってきてつけてみたものの、さっぱりスリープしない。MacBook Air からのアクセスを停止すると一旦スリープするのだが、数分でスピンアップしてそのまま何時間でも回っている。コンピュータからのアクセスと連動したパワーセーブ機能を、たいていの機種は謳っているが「相性次第」という注意書きも必ず有るわけで、つないでみないと分からない、というのが実際だ。

それなら一番静かなのをと考えると、これがあった。その名も「大人の贅沢 プレミアムハードディスク」HDCL-UTHQシリーズ。価格は高い。HGST 系をずっと使っていたので、久々のシーゲートというのも少し不安ではある。(エンタープライズでは普通に使われているブランドではあるが)


でも、うるさいハードディスクは大嫌いなので、思い切って買ってみた。

Time Capsule につないで使ってみる。Air からのアクセスが止むと、すぐにスリープしてくれる。しかも、動作音は非常に少なくてスピンアップ時の音くらいしか聞こえない。低消費電力モデルということで、ファン付きのHDDよりも触った感じ表面温度は低い。Time Capsule につないで長時間使用するという用途には、ぴったりの製品だった。Made in Japan のラベルも頼もしい。

数カ月使ってみて、トラブルは無い。少し値段は高いが、次もこのシリーズを買うと思う。

帰ってきたTechED

震災以来、開催がなくなってしまった TechED が de:code と名前を変えて戻ってきたので、行ってみた。

TechED についてのエントリーを書いたのは、いつだっけと思えば、もう 14年も前だった。開催地はすでに横浜ではない、そしてスケジュールは2日間に短縮され、トラックの数は大幅に少ない。それでも、出てみた印象はとても良かった。


以前の TechED が、どちらかというと US のイベントの資料を、そのまま持ってきて物量勝負的な部分があったのに比べて、トラックはよく整理され、コンテンツは日本独自で、単なる製品紹介に終わるようなものはなかった。エンジニアの英語のリテラシーが上がり、あらゆる資料がダウンローダブルでストリーミング見放題のこの時代に、あえて日本で何をするのか、ということをちゃんと考えたのだと思う。

中でも特に印象的だったのは、成本正史さんのセッションだった。Microsoft Corporation の人なので、純粋に日本のコンテンツとは言えないかもしれない。だが、クラウドアプリケーションのデザインパターンを 100分で 20個紹介する、という野心的なセッションは大成功だったと思う。彼は「ぶった」プレゼンテーションをする訳ではないが、あるいはかえってそれだから、この人はすげぇ、という感じが物凄く伝わってくる。


2日間、たったの 2日間だったが、そこから受けた空気感は、それこそ 14年前のあの感じとはまた違っていた。あの時のスナップショットとくらべて、テクノロジーで世界が狭くなって、速くなって、多様になったことが、手に取るように分かった。Microsoft が iPad でデモをし、Android アプリをビルドする様を実演する。テクノロジーは選択の時代になった、そんなことが彼らの口から語られるようになったのだ。

ではそんな世界から、自分がどの領域を選び、どのテクノロジーを選択するのか。もちろん、今はそれは単一の選択であるはずはなく、どういう組み合わせでやっていきたいのか。そんな事を考える入り口に立った気がした。

追伸:そういえば、会場で最もよく見かけた端末は、Surface でもなければ、ThinkPad でもなく、MacBook Air だった。開発に使いやすいってことか。