ビッグサイトの面白い点は、なんの脈絡もない展示会が同時開催されていることかもしれない。
建材フェア2005の横で開かれていたのが、日本最大のデザインイベント Good Design Presentation 2005(GDP2005)だ。そう、あのなんだかいろんなモノについているグッドデザイン賞というやつを決める大会だ。出版用のフォントからトラックに至るまであらゆるプロダクトが出展されていて、一般の人でも展示物を見る(ものによっては触る)ことができる。
ちょっとやそっとでは見切れない沢山のモノが置いてあるのだが、きになったものを少しだけ。
この写真の物体はいったい何か。suzukiの展示物を散々眺めても、いったい何に使うモノか分からなかった。船外機?よくみると顔が付いていて、ニコニコしているように見える。そうするとロボットか。それにしては、奇妙なこのホイールで自立できるのか。
万博で有名なトヨタのロボットもあったけれど、「デザイン」で見たらこっちの勝ち。左右対称ではない、というところが純粋に凄い。
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花火
ということで、高層公団住宅から東京湾の花火を見てきた。家から花火を見るくつろぎ加減というのは別格で、かつて学生の頃に開港記念花火で混み合う臨港パークから、快適そうなインターコンチネンタルホテル(確か花火宿泊プランがある)を見上げた積年の恨みを晴らす思いだ。
鮨・蟹・日本酒という、いけない組み合わせも、夏の夜一晩ぐらいいいじゃないか、というそんな気分。
今は会社を異にする昔なじみの幾人かと、たまたまつながりの新しい幾人かが、なぜか一つベランダで花火を見る。お祭り特有の、まあいいじゃないか的、あるいはベンチャーの決起集会かと思うような、ゆるい空気が素敵な夜だった。
音楽の浸透圧
音楽には浸透圧のようなものがあって、その時の気分とあえば、スッと体に入ってくる。
それが見つからなくて、夜中に CD をえんえんとかけかえたりすることがある。
夜に何を聴くかと考えると、定番と言われる Glenn Gould の Goldberg Variations. この曲、そもそもはある伯爵の不眠症を癒すために作られた、言ってみれば子守歌だ。その鮮烈な演奏に、1982年の解説書には、「子守歌の効果をひきだす ことは不可能であろう」とあるが、神経が高ぶっているような時は、かえってよく眠れる。ちなみに、僕が聴いているのは、Gould 最晩年の録音、そこにある静謐。
人間は衰えていくものだけれど、年を経てもっと自然に、自由になるってこともある。昔、まったく良いと思わなかった歌手が、ふとすごく抜けて、良い感じになっていたりする。YUKI とか。
そういえば、世代的には YUKI って、多分リアルタイムだとは思う。(当時はバンドだったけど)
M-ON! あたりで最近やたらに流れている JOY って曲がなんとなく気にいっていて、力の抜け方が、聴いていてとても気分が良い。PV での格好は、あしたまで(年に 3回ぐらい見る)「下北沢でパンを買いに並んでる女子」なんて言われていて、言い得て妙だけど。(頭が二色になってるし)
CBS SONY, “Glenn Gould, Goldberg Variations” 解説書から、1982年、諸井誠。