思いつきの記事一覧(全 906件)

恒例(10年ごと)サイトの見直し

Photo: "Chair Refusing to Seat Anyone."
Photo: “Chair Refusing to Seat Anyone.” 2025. Tokyo, Japan, Fujifilm X-Pro2, Fujifilm M Mount Adaptor + Carl Zeiss Biogon T*2,8/28 ZM

何年かに一度、まぁだいたい10年に一度、サイトを見直したくなるタイミングがあって、それが今年、2025年だった。

1996年、羊ページの最初は、HTML手打ちで始まった。とほほのWWW入門などを見ながら(このサイトは現在も運用されている、凄い)、タグの使い方を調べた。作成途中のコーナーには、もちろん「工事中」と表示した。

やがて、Googleが全文検索で覇権をとって、キーワードでタグが調べられるようになった。CSSが本格的に実装されて、羊ページも2002年に対応。しかしCSSを人力で調整するのは、本当に無理。Movable Typeで別サイトをつくってみたりして、結果、2010年、WordPressに移行することになった。

2025年、初期から残っていた月次ベースの構造をついにやめる。ひたすら(無意味に)守ってきた後位互換性は捨て、一番新しい技術を使えるテーマを選んだ。そして今回のコードは、ほぼChatGPTが書いた。CSSの調整は95%、コード追加は100% AIが書いている。

30年の間に、個人のサイトを調べてタグを打つから、AIでコード生成まで来た。


ChatGPTは、sheeppage.netのサイトを実際に読むように指示して、ここを直してくれ、という事ができる。実際、やってみるまでは疑っていたが、本当に出来る。4oが読んでいるサイトの数は、どの人類よりも多いわけで、実に適切に直す。おかげで、実質2日ぐらいでデザインも構造も全部直す事ができた。

どんな問いかけにも無理矢理答えようとして袋小路に入ることはあるが、Webサイトの相談について言えば相当得意な分野と思われる。自称「Webコンサル業務」みたいなところが、遠くで滅んでいる音が聞こえた。しかし、こういう事ができるなら、サイトのデータそのものをモデルに取り込んでみたい。


30年に及ぶ1,600超のテキストをLLMにたたき込むとどんな事が起こるのか。で、やってみた。Wordpressからのテキストデータ抽出は、4oにシェルスクリプトを書いてもらった。2.4GBのテキストデータをGemini Notebook LLMに入れて、いろいろやってみる。しかし、2.4GBでは未だデータ量が少ないのか、「モデル」というには不足で「Index」ぐらいの感じか。

作者の振りをして書いてみて、というプロンプトには、相当に(本人としては)気持ちの悪い、セルフパロディみたいなエッセイが生成される。もちろん。この不自然さは急速に解消されていくだろう。数行のプロンプトで、読むに耐える文章が生まれるところまで、2025年上半期で到達したのだ。

思いもよらない支持者

Photo: “Khao Yam.” 2025. Tokyo, Japan, Apple iPhone 14 Pro Max.
Photo: “Khao Yam.” 2025. Tokyo, Japan, Apple iPhone 14 Pro Max.

ごく日本風にArrangeした高級タイ料理、というのに惹かれて、この店を選んだ。面子は3人。取引先で今度実質的な社長に昇格するIさんと、それとはまた別の会社の社長 Tさん。会はTさんが設定してくれて、店は料理と酒にとことん人生を費やしている彼女のリストから選ばせてもらった。

Iさんの昇格祝いを兼ねているのだが、そのIさんは、実は当初そんなに印象に残る人ではなかった。現場に来ているちょい偉い人、ぐらいの認識。そんな彼が、僕を評価してくれていて、影のサポーターであった事に、最近まで気がつかなかった。「あの人、凄いファンだから。」Tさんから、そう教えられたのは、出会いから何年か経ってのことだった。自分が気がつかないところで、自分を助けてくれている人が居る、そういう事は人生の勇気になる。


日本の素材をタイ料理の手法で処理し、日本のやり方で仕上げる。そういうレストランというのがどれ程あるのか知らないが、僕にとっては初めてのものだった。古代米、鮟鱇の肝、苺、ナッツ、レモングラスなどによるKhao Yam。見た目の美しさ、だけではなくて、混ざった素材のバランスが秀逸。少しのナッツが、タイ料理の感じを高める。

タイ料理の味わいが含められていて、それでいて、日本の素材でできている。タイ料理じゃない素材を組み合わせて、でもこれはタイ料理だね、という感じがちゃんと出ている。遊んでいるという感じがする。好奇心を忘れないで、いろんな新しい組み合わせに挑んでいく、楽しいディナーだった。Tさんから、料理にココナッツオイルを使うと、ちょっと新しい世界が見えるとか、そんな事も教わった夜だった。

自分の昇格祝いも兼ねた席に、お土産としてお気に入りの最中まで持参したIさんは、きっとうまくいくと思う。

ネットは広大だわ

Photo: “The Exhibition of The World of Shirow Masamune - “The Ghost in the Shell” and The Path of Creation -.” 2025. Tokyo, Japan, Apple iPhone 14 Pro Max.
Photo: “The Exhibition of The World of Shirow Masamune – “The Ghost in the Shell” and The Path of Creation -.” 2025. Tokyo, Japan, Apple iPhone 14 Pro Max.

士郎正宗の世界展、に思ったよりも速いタイミング、2日目に行ってきた。このページでも度々出てくる

「ネットは広大だわ」

の台詞が登場する攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL は1991年の発刊で、それはWindows 95をきっかけにInternetが一般に普及を始める4年前。この台詞がどこまで未来を見通して書かれたものなのか、あるいは作家が自らも把握しない何かを降ろしたのか、それともこの「預言」を形にする無数の意志が働いたのか。


そのオリジナル原稿を目にして、静かに興奮していたし、こうして紙として形が残っていることの貴重さと、もうデジタル移行してしまったこの先には、こういうものは出てこないのだなという気分もある。ホワイトの修正なんて、全くない。下書きから、もう巧い。原稿、こんなに小さかったのか。枠外に記された通し番号。紙の上に現出したデジタルの未来。

展示の後半はデジタルになっていて、攻殻は電子の海の中に帰っていった感じ。なお、検索してみたら羊ページの1,600エントリの中で「ネットは広大だわ」は1度しか出てこなかった。