夕日の沈む頃、空に電線と団地の階段が交差する景色。それは、僕に子供の頃の夕暮れを思い出させた。
家への帰り道、いつも団地の中を通る坂道を歩き、走った。
あの頃、未来への不安はなかった。失われるなんて、思いもよらないことだったから。
大人になれば、生きることは楽になるのだと思っていた。少なくとも、もっといろいろな事が分かるようになるのだと思っていた。
でも、どうやら、違うらしい。最近の複雑な世の中では、自分の姿を見失うのはあまりにも簡単。
写真と紀行文
朝、雨が降っていた。小学校に行く道すがら、カタツムリを捕まえた。
カタツムリは、筆箱に入れておいた。その頃、やたら蓋がたくさんついた筆箱が流行っていて、隠し場所には困らなかった。悪戯されたら困るから、友達には内緒。
帰る間際、筆箱の隅をのぞくと、膜を張って寝ていた。やはり、雨の中がよいのか。
帰り道、雨は降り続いていた。僕は、カタツムリを逃がすことにした。
アジサイの咲いている塀の向こう側に、放り投げた。
カシャッ、と音がしたような気が、、。
カタツムリは、きっと強い。雨は、やがて上がった。
羊ページはコンテンツの作成に、ダラダラ時間をかけるため、季節がずれ気味です。