Photo: "08K5073" 2006. Tokyo, Contax i4R, Carl Zeiss Tessar T* F2.8/6.5.
打鍵は強い方で、しかもかなりの量をタイプするので、結構直ぐにキーボードがへたってしまう。去年購入したThinkPad X32も一年を待たずして、「O」のキーが妙な音を立てるようになった。1年以内なので、保証でカバーされるかもしれないのだが、未だ明確にキーが破損しているわけでもなく、(おそらくは予防交換の範囲)、修理に出している間、使えないのも困ってしまうので、自分で直すことにした。それも、ただ交換するのではメリットが無いので、英語キーボード(101キーボード)に換装することにした。
キーボードに拘るユーザーが多いThinkPadだけあって、キーボード単体のパーツを売っている店はネットだけでも数店見つけることができるのだが、どこも1万円以上。他に入手するルートは無いかと調べてみると、Lenovo(IBM)のパーツセンタで一般向けに部品の単体売りをしてくれるらしい。それも、裏技とかいうのではなくて、きちんとWebに一般向けの窓口電話番号が記載されていた。
保守部品の購入について – ThinkPad(2010年9月現在、連絡先を明示したページは削除されているようだ。ただし、同じ電話番号と同じ手順でパーツの販売はされている。詳しくは、[ThinkPad Love – ThinkPadの補修用パーツの入手方法と部品情報]を参照。)
さて、用意するのは、自分のマシンの機種名。7桁(xxxx-xxx)のIBM製品番号がそれだ。本体の裏面に書いてある。それから、そのマシンに適合するキーボードの部品番号も調べておく。僕の場合は、本体が2672-M8Jで、適合する英語キーボードが08K5073となる。これは、X31及びX32で共通の部品のようだ。(2672-M8Jに08K5073を自分で付けるのは、恐らく保証外になります。自分の責任で注文・作業して下さい。IBM/Lenovoにサポートを要求したりしないで下さい。)
次に、パーツセンタに電話をかける。(コールセンタではないので、トラブル相談とかをしないように、、)部品購入の意図を伝え、当該機種の製品番号と、希望の部品番号を伝えると、価格、在庫、納期などを教えてくれる。こちらの氏名、住所、FAX番号を伝えると、購入申込書がFAXされてくる。(FAXが無い場合には郵送となる)
部品代と送料を併せた請求金額を振り込み(三菱UFJ信託銀行)、振り込み伝票のコピーと、必要事項を記載した購入申込書をFAXで送り返すと、部品を発送してもらえる。
今回は08K5073が1点で税抜き6,610円、送料1,000円、税込みの請求額は7,990円だった。バルク品よりもずいぶんと安い。マージンをほとんど乗せない価格で提供して貰えるのは大変助かる。なお、パーツセンタはIBMがオペレーションしているようで、Lenovoではなくて、IBMの対応だった。日本国内にもかかわらず、きちんと、英語配列のキーボードがストックされていることにも感心する。
申し込んで3日程で(在庫状況に依存するが、今回は在庫があった)えらく大きな段ボールに入って、パーツが送られてくる。中身は、段ボールの中にまた段ボールが入っていて(ここらへんは、外資系だなぁと思う)、その中にキーボード本体と取り付け用のネジが4本。交換用のマニュアル等は入っていない。
作業に必要なのは、精密ドライバのみ。IBMのサイト(Lenovoではなくて、IBMのドメインになってる)からキーボード交換手順のサービスマニュアルを参照しつつ、作業する。マニュアルは、ネジのトルクまで記載されていて、きちんとしている。
キーボードの取り外しと取り付け – ThinkPad X30/X31/X32
作業は、ACアダプタを外し、バッテリもはずすところから行う。次に、裏面のキーボードの印がついているネジ4つを取り外す。そうすると、もうキーボードは外せるようになっている。少し手前を持ち上げるようにすると、簡単に外れる。マザーボードと接続されているリボンケーブルをコネクタを壊さないように、丁寧にはずす。古いキーボードが外れたら、あとは新しいものを逆の手順で取り付けるだけだ。作業は丁寧にやって、実測4分。とてもメインテナンス性の高い設計になっていると感じた。特に、ボディーを貫いて、4点のネジで支持されているキーボードの設計に感心する。高い剛性感が生まれる大きな要因だと言えるだろう。
部品の入れ替えが完了したら、OSのドライバを英語キーボードのものに入れ替える必要がある。(もしくは、キーマップを修正する)Windows XPの場合は、キーボードのドライバを「101/102 英語キーボードまたは Microsoft Natural PS/2 キーボード」に変更すれば、再起動後認識される。なお、ドライバを入れ替える際に、マウスのドライバも置き換わる旨警告が出るが、そのままOKして進めて問題ないようだ。
実際に英語キーボードにしてみると、キーの配置に余裕があって使いやすい。特に、個人的には絶対使わない最下段の日本語関連キーが無いのは、誤押下(変な日本語、、)が無くなって助かる。また、アルファベットのみのキートップの方が、見た目の印象も精悍で良いように思う。在庫等の関係で、コンシューマ向けでの実現は難しいのかもしれないが、英語キーボードバージョンを標準で用意してもらえると嬉しいと思う。(昔から言われていることですけどね、、)
※パーツセンタから買えるのは保守部品です。自分の機器の修理以外の目的で購入しないようにしましょう。
※X32に101キーボードを取り付けることは、設計上は問題ないと思いますが(日本国外ではその構成で売られているので)、国内モデルとしては保証の範囲外になると思われます。この文章で示した情報は、ご自分の責任の範囲内でご利用下さい。