
レディースデイなる、ジェンダーの偏ったフェアに日々納得のいかないメンズの一員としては、それに対抗するフェアをしてくれる店も数少ないながら増えている事に、心強さを感じている。
前にドイツ系のパン屋で見かけたメンズデーは、恐ろしく食べ応えがありそうな全粒粉パンが割引されていて、いかにもドイツ的合理性に溢れていて良かった。
しかし、おっさんデイというのは、開き直りすぎでは無いのか。テキーラ 500円は魅力だが、正直、行きたくは無い。
「ドアモードをアームドにしてください」
って何だ。
気にした事は無かったが、気になり出すと気になる。
あれはドアが開いた際に、脱出用シューターが自動展開されるモードに変更してるんだと最近知った。確かに、これから離陸しようという時に「脱出用シューターを自動展開モードにして下さい」とは言いづらいか。
それから、たまに座席の足許にある邪魔な「箱」あれは何だ。
飛行機大好きな友人に聞いて分かったが、あれはエンターテイメントボックス(多分、正確にはin-filght entertainment box)と言うらしい。あれがないと、VOD の映画なんかが見られないのだと。それにしたって、あれが足許にある座席に当たると、なんとも損した気分。21世紀なのに、真ん中座席にされた上に足許に「箱」だと、なんで自分ばっかりこんな目に遭うのかと、僻んだ気分。
そういえば、この間、かの Boeing 787 に初めて乗ったときに、タッチパネルで機材を操作している CA を見て、突然、ああ 21世紀になったんだなと思った。凄く、突然にそう思った。
空港からホテルに着いて、言われるがままにタクシーに詰め込まれて、気がついたらかき氷屋の前。
前回台湾に来たときに、恐らくは水道水で薄められたタピオカティーでマーライオン並みの嘔吐を経験して以来、生水生氷の類は口にすまいと思ったのだが。
台湾名物マンゴーかき氷。更なるリスク上積みでミルク氷も選べるようだが、それはしない。なんか、洗面器みたいな器に入ってきた。冷凍物を使わないというポリシーのマンゴーは、確かに新鮮なマンゴーであるが、別に氷と一緒じゃ無くてマンゴーだけ食えば良くないか?というのは言わないでおく。
いくら名物のかき氷と言ったって、こんなに量が食えるかクソボケと、思いつつも何んとか食べ終えて街に出ると、さっきまで、焼けるような蒸し暑さだった街路が、なんのことはない、風の爽やかな普通の夕暮れ手前になっていた。
氷の力は凄いのだ。