横須賀中央、「食堂」という飲み屋

Photo: “Fried horse mackerel set meal (Aji fry teishoku).”
Photo: “Fried horse mackerel set meal (Aji fry teishoku).” 2025. Yokosuka, Japan, Apple iPhone 14 Pro Max.

電車に乗っていると、文章を書くヒントが思い浮かぶことに気がついた。ならば、特に旅自体の成果を気にしないで、どこかに行けば良いのではないかと思った。何も考えずにどこかに行く、というのは案外難しく、ChatGPTにプランを作らせると捗る。最近は記憶を持つようになっているから、訪問の感想を入れておいたり、現地で不満を入れたりすると、それがだんだん反映されてくる、、ような気がする。

しかし、いまいち地理は苦手のようで、電車の乗降駅を普通に2つ3つ間違う。遠回りさせられたり、見当違いの駅で降ろされたり。多分、地理的な相関関係、座標みたいなものではなくて、印象とか、歴史とか、なんかそういうもののベクターデータが強いのだろう。一方で、GeminiはGoogle mapとの連携を前提にしているので、そのあたりの地理感覚は間違いが少ない。しかし、例えば飲食店のお勧めを訊くと、回答はしてくれない。AI検索と検索広告ビジネスとの競合の整理が、未だ付いていないという事か。


今日は、横須賀中央駅に降り立つ。まずは腹ごしらえで、漁港の街ならここが良いでしょう、とGPTに薦められた「食堂」というPrefixが付いた、実質は恐らく飲み屋に入る。刺身定食にするか、フライの定食にするか、悩ましい。板長が刺身を切るような店には思えないので、ここはフライか。鯵フライでいいか。たっぷりのご飯と、ちょっとした刺身と、ひじきの煮物。期待値の水平線ぴったりのものが出てくる。しかし、海の間近のこの街で提供された鯵フライは、あまりに形が整ったマスプロダクト。そもそも旅の成果は期待していない、それに、平均的にうまいからいいや。

新たに鯵フライ定食の注文が入り、板長ならぬバイトリーダーが、冷凍庫から鯵フライを取り出す様子を眺めながら、自分の鯵フライを平らげた。

天丼

Photo: “Gochiso Tendon.”
Photo: “Gochiso Tendon.” 2025. Tokyo, Japan, Apple iPhone 14 Pro Max.

いつもと少し違う駅で降りて、立ち喰いそば屋のあたりを歩くと、天ぷらと出汁の香りがしてくる。

子供の頃に食べた、出前の店屋物の匂いだ。甘辛い天丼のタレと、薄っぺらく切られた、酸化したぬか漬けの不思議な味。でも、その時、腹は空いていなかった。

翌日、無性に天丼が食べたくなって、ゆでたろうで持ち帰った。美味かったけど、ちょっと違う。


天丼てどこで食べられるんだ。そう言えば、「てんや」があったなと思い立って、隣町の商店街に行く。

この3年、オフィスからの帰りはタクシーでまっすぐ帰宅するのが精一杯だった。街をそぞろ歩こうなんて、思いつきもしなかった。それを今は、雑踏を眺めながら歩く。新しい店がいくつかできている。油そばの店に行列が出来ている。

てんやでのメニューは「季節のご馳走天丼」にした。初回でいきなり特上、みたいなメニューにするのはいささか気が引けたが、せっかくですから、というやつだ。鱧も、大エビも、穴子も入っている。タレは多めにする。味噌汁と、大根の漬物。てんやで食べるのは、多分初めてだった。店はこの街に住んでいた時から知っていた。店舗は古かったが、掃除は行き届いているようだったし、店員は洗い物を乾燥ラックにきちんとそろえていた。

天丼は、最初から最後まで美味に感じた。クーポンで付けた烏賊も良かった。人間が戻ってきたような気がした。
この数年を思うと、どこか違う場所から帰ってきたようだった。

恒例(10年ごと)サイトの見直し

Photo: "Chair Refusing to Seat Anyone."
Photo: “Chair Refusing to Seat Anyone.” 2025. Tokyo, Japan, Fujifilm X-Pro2, Fujifilm M Mount Adaptor + Carl Zeiss Biogon T*2,8/28 ZM

何年かに一度、まぁだいたい10年に一度、サイトを見直したくなるタイミングがあって、それが今年、2025年だった。

1996年、羊ページの最初は、HTML手打ちで始まった。とほほのWWW入門などを見ながら(このサイトは現在も運用されている、凄い)、タグの使い方を調べた。作成途中のコーナーには、もちろん「工事中」と表示した。

やがて、Googleが全文検索で覇権をとって、キーワードでタグが調べられるようになった。CSSが本格的に実装されて、羊ページも2002年に対応。しかしCSSを人力で調整するのは、本当に無理。Movable Typeで別サイトをつくってみたりして、結果、2010年、WordPressに移行することになった。

2025年、初期から残っていた月次ベースの構造をついにやめる。ひたすら(無意味に)守ってきた後位互換性は捨て、一番新しい技術を使えるテーマを選んだ。そして今回のコードは、ほぼChatGPTが書いた。CSSの調整は95%、コード追加は100% AIが書いている。

30年の間に、個人のサイトを調べてタグを打つから、AIでコード生成まで来た。


ChatGPTは、sheeppage.netのサイトを実際に読むように指示して、ここを直してくれ、という事ができる。実際、やってみるまでは疑っていたが、本当に出来る。4oが読んでいるサイトの数は、どの人類よりも多いわけで、実に適切に直す。おかげで、実質2日ぐらいでデザインも構造も全部直す事ができた。

どんな問いかけにも無理矢理答えようとして袋小路に入ることはあるが、Webサイトの相談について言えば相当得意な分野と思われる。自称「Webコンサル業務」みたいなところが、遠くで滅んでいる音が聞こえた。しかし、こういう事ができるなら、サイトのデータそのものをモデルに取り込んでみたい。


30年に及ぶ1,600超のテキストをLLMにたたき込むとどんな事が起こるのか。で、やってみた。Wordpressからのテキストデータ抽出は、4oにシェルスクリプトを書いてもらった。2.4GBのテキストデータをGemini Notebook LLMに入れて、いろいろやってみる。しかし、2.4GBでは未だデータ量が少ないのか、「モデル」というには不足で「Index」ぐらいの感じか。

作者の振りをして書いてみて、というプロンプトには、相当に(本人としては)気持ちの悪い、セルフパロディみたいなエッセイが生成される。もちろん。この不自然さは急速に解消されていくだろう。数行のプロンプトで、読むに耐える文章が生まれるところまで、2025年上半期で到達したのだ。