意外とみんな月を見てる

書くネタがない、というネタで今日も引っ張っている全国の日記サイト管理者の皆さんこんにちは。羊ページです。


僕は、だいたい 20ヶ所ぐらいの日記サイトを日々読んでいる。やたら元気の良いサイトとか、やたら前向きなサイトとか、そういうものは読んでない。むしろ、だるだる的、 薄口的、主張しない的サイトが好みだ。で、そんな僕の好みはどうでもいいとして、それらのサイトを巡っていて最近思うのは、「意外とみんな月を見てるんだ なぁ」ということだ。

一昨日は満月だった。そのことを知ってしらずか、ここ数日、いろんな日記に、月が顔をだしている。作者によって表情の違う月が、いっぱい出てくる。

先週末、少なくとも都心から見る月は、いつもよりずっと明るく、眩しかった。そんな月を見ながら、「日々の忙しい中にも、心のゆとりを忘れてないよな、俺は。」とか思うわけだ。

でも、実は、みんな結構ちゃんと見ていた。で、いろいろ考えていた。そして、日記に書いていた。そう思うとなんか間抜けで、なんか微笑ましい。

ホテル松葉川温泉

Photo: 2000. Shimanto, Japan, Nikon F100, AF Nikkor 35-105mm F3.5-4.5D, Fuji-Film
Photo: 2000. Shimanto, Japan, Nikon F100, AF Nikkor 35-105mm F3.5-4.5D, Fuji-Film

偶然泊まったホテル松葉川温泉は、さっぱりとして、良いホテルだった。僕たちに用意された部屋は(その日、宿は割と混んでいて、最後の一室だっ た)、三角屋根の形が分かる最上階。優に5メートルはある天井と、ゆったりした内装。山奥のこんな場所に、周囲の風景に似合わないモダンな内装は、東京帰 りの若い建築屋の二代目が、腕試しに設計したような風情だ。

バルコニーに通じるドアを開け、ソファーに足を投げ出すと、ドーッという川の流れの音が、耳に飛び込んできた。少し上流には滝がある。コンクリートで整形された、一直線の滝。


宿の心づくしの夕食が、僕はいたく気に入った。カチカチに冷えたジョッキで生ビールを傾けながら、川魚の佃煮をつつく。松葉川を眺めるレストラン。 広い食卓に、山の食材をふんだんに使った料理が並んだ。品数は多く、どれも、見た目で誤魔化さずに、ちゃんと美味しかった。柔らかく炊かれた蕗には、さっ き川で嗅いだ土の匂いがした。

僕たちに給仕をしてくれた女性は、とてもいい笑顔をしていて、ビールのお代わりを頼むと、恥ずかしそうな微笑みを浮かべた。
「なぁ」
「ん?」
「高知ってさ、綺麗な人多くないか?」
「っていうか、いろいろな意味で魅力的な人、だろ?」
「そうそう、笑顔とかさ、いいんだよね」

静かなレストランで川の瀬を聴きながら、そんな会話をした。

ちょっと、失敗

「おう、なんか悲しいことでもあったのか?」
と声をかけてみたら、なんか動揺していた。

ちょっと、失敗したと思った。