暖かそうな、レストラン

Photo: 1995. Paris, CONTAX T2 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/38

Photo: 1995. Paris, CONTAX T2 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/38

暖かそうな、レストラン。

パリの路地裏で、ひっそり開業中。店の中には、常連らしきお客が数組。この季節のパリのレストランでは、生牡蠣や、その他の生の魚介を饗している。勇気があれば、食べてみても良いかも。

もし、この近所に住んでいたら、行きつけにしたくなるような店。(食べたわけではないので、味はどうか分からないけど)

この店はどうか分からないが、パリの地元の住人が行くようなレストランは確かに安くて美味しい。ただし、ガイジンに対する視線は厳しいし、歓迎されている気はしない。

それでも、1,000円ちょっとでどっさり出てくるエスカルゴ、手ごろ値段のボルドーワインなどは魅力。不愉快な思いをする覚悟で食べに行く価値は あると思う。(きっと、通えば周りも慣れるし、自分も慣れるのだろう)せっかくフランスに行ったのだから、ちゃんと地元の料理を食べるのがいい。マクドナ ルドはやたらに高いし、あるいは、ステーキみたいな外国料理は不味い。

この写真は、僕がパリで撮った中で、一番気に入っていて、実際の景色よりも3倍ぐらい綺麗に撮れている。三脚無し、長時間露光でむりやり撮影。そうしたら、思いがけなく赤い幌が美しく写ってくれた。

雨に煙る市街

Photo: 1995. Paris, CONTAX T2 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/38

Photo: 1995. Paris, CONTAX T2 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/38

雨に煙る市街を、エッフェル塔から望む。

エッフェル塔に登る頃になると、突然天候が荒れ始め、春の嵐のような激しい雨に襲われた。鉄骨むきだしの展望台には、まともに雨がたたきつけ、とても景色を楽しめる状況ではない。

エッフェル塔の展望台というのは、東京タワーのようにガラス張りの快適な空間ではない。言ってみれば、巨大な物干し台みたいな場所なのだ。

一般的には悪天候をものともしない周りのヨーロッパ人観光客も、為す術無しといった感じで物陰に隠れ、時たま意を決して景色を見に雨の吹き荒れる展望エリアに足を踏み出した。

ものすごい風と、たたきつける雨で、まともに撮れたのはこの1枚だけ。風でカメラがぶれる。カメラを抱えて、手すりにつかまりながら、必死に撮った。

遠くに見えるはずの、ポンヌフ(ポンヌフの恋人、のあの橋)を撮ろうと頑張ったが、まあ、あのあたりだろう、という事ぐらいしか分からなかった。

外国人労働者

Photo: 1995. Paris, CONTAX T2 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/38

Photo: 1995. Paris, CONTAX T2 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/38

パリの人たちは、親切じゃない。観光客にウンザリしているのか、黄色人種がキライなのか知らないが、親切じゃない。

エッフェル塔の袂まで来たとき、突然、友人が「腹が痛い」といいだした。既に、顔には脂汗が浮いている。

塔の係員に「トイレはどこだ」と聞くと「上だ」という。

上って、、、。

見上げたエッフェル塔は、そびえ立ち、トイレは果てしなく遠い。

いくらなんでも、どっかに従業員用かなんかがあるだろう、と思って交渉するが相手にされない。入場切符を買って、エッフェル塔に登れという。無茶だ。

どうにもならなそうだったので、意を決してトイレ探しを始めた。近所を通りかかった、トルコ人風の一団に(少なくとも、生粋のフランス人よりは、外国人労働者の方が親切だろうと思った)聞いてみた。

「オレノトモダチガ、ハライタダ。トイレハナイカ、トイレ!トイレ!」と必死に訴えたところ、何故か彼らは大受けし「パリの街では、夕方7時を過ぎたら、藪がトイレだぞ、ムッシュー。」と答えが返ってきた。(ムッシューはウソ)

サダムフセイン風の大男20人に囲まれた瞬間は怖かったが、ある意味で親切な人たちだった。

ちなみに、この後友人はエッフェル塔基部近くの茂みに、記念の品を埋設することになった。