台湾名物

Taipei in the dusk

Photo: “Taipei in the dusk” 2014. Taipei, Taiwan, Richo GR.

空港からホテルに着いて、言われるがままにタクシーに詰め込まれて、気がついたらかき氷屋の前。

前回台湾に来たときに、恐らくは水道水で薄められたタピオカティーでマーライオン並みの嘔吐を経験して以来、生水生氷の類は口にすまいと思ったのだが。


台湾名物マンゴーかき氷。更なるリスク上積みでミルク氷も選べるようだが、それはしない。なんか、洗面器みたいな器に入ってきた。冷凍物を使わないというポリシーのマンゴーは、確かに新鮮なマンゴーであるが、別に氷と一緒じゃ無くてマンゴーだけ食えば良くないか?というのは言わないでおく。

いくら名物のかき氷と言ったって、こんなに量が食えるかクソボケと、思いつつも何んとか食べ終えて街に出ると、さっきまで、焼けるような蒸し暑さだった街路が、なんのことはない、風の爽やかな普通の夕暮れ手前になっていた。

氷の力は凄いのだ。

ささいな瞬間

Old Tavern

Photo: “Old Tavern” 2012. Tokyo, Japan, Apple iPhone 4S.

人は、ささいな瞬間の、ささいな言葉を覚えているものだ。

「最近、ギョウザを胡椒で食べるのがいいんだよー」

そこまで言うならやってみようか、と、S&Bのテーブル胡椒を醤油に溶いた。

まだ寒さの厳しい 1月、すきま風の吹き込む古い店内は、平日の5時をまわったばかりだったが、客でだいぶ混み合っていた。石油ストーブでどうにか温められたテーブルで、瓶ビールとシウマイ、ギョウザなんかをとって、3人で食べた。


その店はもう、すっかり建て替えられてしまって、その日の面影は無く、そして胡椒の話をしていた人もこの世には居ない。

喪失感は、そういう所からやってくるのだな。

ビール持ってきてちょうだい。

Hell bowl

Photo: “Hell bowl” 2014. Kanagawa, Japan, Apple iPhone 5S.


「ビール持ってきてちょうだい。」

箱根は大涌谷の飯屋で、常連のていでオヤジが店のおばちゃんに声をかけている。

そもそも大涌谷に常連というものが存在しうるのか。

「この地獄丼てのは何?」

それは辛いのよぉ、凄く。と、オバチャンはまるでお勧めしない


それは、つまり僕が今まさに食べているやつだ。大ぶりのチャーシューが、白髪葱と唐辛子で少し辛めに味付けされている。

自分的にはチャーシューも柔らかくて、結構美味しいんだけど。いや、この手の店のものとしては、むしろぜんぜんありだけどな。。