俺レシピ マカロニサラダ(下町味)

Photo: “Macaroni salad downtown style.”

Photo: “Macaroni salad downtown style.” 2018. Tokyo, Japan, Apple iPhone 6S.

マカロニサラダの事しか考えられなくなった。早速、作っていきましょう。

■材料

  • ママー早茹でマカロニ100g
  • キュウリ2本
  • マヨネーズ沢山
  • マスタード少々
  • オリーブオイル
  • 黒胡椒(粗挽き)
  • レモン汁(ポッカ可)→必須超重要
  • 塩少々

■作り方

  1. 塩を10gを入れて、パスタ茹で機で8分(なんて便利)調理
  2. お湯を切って、オリーブオイルで和えて冷ます
  3. キュウリ2本を切って塩もみしておく
  4. マカロニの粗熱が取れたらマヨネーズ、キュウリ、黒胡椒、マスタード、レモン汁を加えて和える
  5. ホッピーでも買ってきて下さい
  6. 食べる

最初作ってみたものの、なんか味が違うというか、サラダっぽくならない。僕がイメージするとある店(写真)のサラダとはかけ離れている。結局、レモン汁を入れると、その酸味で一気に全体がサラダとしての体裁を帯びる。マスタードを入れておくと、一晩経った後ぐらいに食べると、全体に調子の高い香りが加わる。

このレシピは都心のレシピではない、今風のレシピでも無い。下町の、ちょっとくたびれた外見の居酒屋の味だ。つまり、相当しょっぱい仕上がりになるので注意。

適宜ツナや、ハムなどを入れれば、またバリエーションになる(贅沢になる)だろう。

見せてもらおうか、食べログ1位の実力とやらを

Photo: “Sushi chef on Tabelog #1.”

Photo: “#1 Sushi chef on Tabelog.” 2018. Hokkaido, Japan, Apple iPhone 6S.

と言うことで、2時間あまり電話をかけ続けて予約してもらった、北海道 食べログ第1位の鮨屋に、万札を握りしめて訪れた。席数は僅かに7席。おきまりが1種類のみ。飲み物はアラカルトと、メニューに合わせてお酒を出してもらえる方式が有る。一緒に行ったのが、飲む人間なのでお酒は店にお任せして出してもらう方式にした。絶対その方が安くなる確信。

我々以外は、年輩の夫婦、同伴ぽい紳士とお姉ちゃん、そして今回初一人旅なんですよと意味の分からないアピールをするITベンチャー社長(こういう人は訊きもしないのに、素性を明かす)


感想。とても、とても感心した。どの品も考え抜かれている、なんとなく出されるものが一品として無い。魚は二部制の予約での提供時間に合わせて仕込まれ、食べる瞬間に最も良いコンディションになるように仕上がっている。高いネタを出して凄いでしょう、では無い。例えば、抱いた卵が半熟になるように火を通し、これをソースとして食べさせる蝦蛄。その処理は、卵を身につけたままで、背に一筋入れた包丁目から、トロッとした橙色の卵が覗く。鮨に限らず、身と卵を一体でそんな風に扱った料理を、僕は一度として食べたことが無い。既存の調理法に縛られない、ゼロから考える料理の凄み。鮮度が落ちた蝦蛄では作れないから仕入れは時間単位での勝負だと言う。

店主はいわゆる鮨屋の大将、という雰囲気では無い。洗練された風貌もあるが、所作から語り口から、よく考えてる、よく出来る、という感じが凄く伝わってくる。提供している各々の品物について、質問すれば幾らでもロジックをもって返してくる、それ程に考え抜いて、試している。かといって、気難しくも無く、客あしらいは巧い。ともすれば、無粋なマウンティングるベンチャー氏も上手くいなして、まさに飲食業の鏡。


もう一つ。板場には、年輩の職人がアシスタントとして付いている。丁寧に下ごしらえのサポートをして、店主の仕事を実によく助けている。これだけの才能のある若者につくのは、どんな心境なのか。なんて思っていたら、実は先代に当たる店主のお父さんだそう。父親の代の時は、普通の街場の鮨屋だった店を、ここまでの有名店にした息子の才能と努力。親子の呼吸の合い方。父親の店の譲り際の鮮やかさに、また別の意味で感嘆した。

※料理は定額、修業時代に勉強に行った鮨屋で不明瞭な会計に泣かされたという、店主の矜恃を感じる。料理に合わせる方を選ぶと、お酒はなんと一貫ごとに違うものを出してくれる。値段は時価になるが、内容を考えると納得がいく。

 

YOUR CHOICE

Photo: “YOUR CHOICE.”

Photo: “YOUR CHOICE.” 2018. Tokyo, Japan, Apple iPhone 6S.

「あんた、俺を誰かと勘違いしてるよ!」

前を歩いていたサラリーマンが突然振り返り、僕の友人に啖呵を切った。

「は?どうかしましたか?」

イヤフォンを外して、礼儀正しく問い返した友人に、サラリーマンもア然として「は?」

朝の駅のどまんなかで、大の大人が顔を見合わせてしばし呆然としている。そんな話を、ワインを飲みながら聞いている。


何者かに自分がつけられていると勘違いしたとして、こんな啖呵を切らせるのには、相当な覚悟というか、相当な恐怖が必要だろう。

友人にたまたま後ろを歩かれただけで、そんな恐怖を味わうものなのか。

確かに、見た目は怖い。最近、運動不足で一回りガタイが大きくなった友人は、仕事仲間の若者達からは企業舎弟とか、そんな風に言われているらしい。20年前に、僕が初めて出会ったときも、この人はきっと怖い人だから、間違っても深入りしないようにしよう、と考えた。

実際、かれは至極まっとうな人間で、反社会勢力でもないし、昔やんちゃだった、みたいな事も無い。外資系 ITに 10年以上勤めて、自ら選んで起業して、最初は色々苦労しながらも、今は着実に歩んでいる。しかし、残念ながら人は見た目が 100パーセント。


さて、ワインだけでは寂しいので、なにかつまみでもとろう。チーズの 3種盛りなんて良いんじゃないか。これはリストの中から選ぶのか?勝手に選ばれるの?

「君のおすすめを持ってきてくれたまえ、的な感じでいいんじゃない?」
と彼は言う。しかし、そんな見た目で、しかも、今日のトレーナーには「YOUR CHOICE」って書いてある。(しかも全部大文字だ)俺ならそんな人間に、「君のセンスで選んでくれたまえ」みたいなことを言われたくないね。震える。

で、頼んでみた。チーズの銘柄を訊かれることも無く、無難なセレクションで勝手に選ばれて運ばれてきた。まあ、そんなもんだ。