LA VACAという牛

Photo: contax T2

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表参道あたりを、プラプラ歩いていると、気になるモノが。

わけの分からないモノではあるが、言わんとすることは分かる。
「う、、ウシ?」

そいつらは、数頭の群れになって、ショーケースにうずくまっていた。

背中の微妙なカーブと、一頭毎にまるで違う個性的な模様。つのはピカピカ。いったい何の役に立つのかは分からないが、とにかく「欲しい」。でも、これは売り物?


実はこいつら、ドイツからやってきた家具である。「スツール」というのが、この牛たちのもう一つの存在意義。しかも、「天然の牛の毛皮にまたがることで、リラクゼーション効果が期待できる」という。

LA VACA。そんな名前のこの牛は、ちなみに59,000円。子牛のLA VAQUITAもあって、そちらは39,000円だって。

注1:なんかこの文章、雑誌の商品広告みたい。
注2:買ってませんよ。だって、スツールいらんだろ。

左側に失ったものを、右側に得たもの

電車で、向かいの席に座った女性。
誰かに似ている。あるいは、忘れてしまった誰かなのか。
左手の薬指に、指輪。

ノートの真ん中に線を引いて、左側に失ったものを、右側に得たものを書いてみる。そんな話が、村上春樹の小説に出ていたっけ。

多分、綺麗な人だった。でもやがて、その顔も忘れてしまった。

cocco: サングローズ

Photo: contax T2

Photo: contax T2

旅先に持っていく音楽は、自分が本当に聴きたい音楽。

その夏、南の海を見ながら、僕が聴いていたのは彼女の歌だった。その時、僕はまだカセットテープのウォークマンを使っていた。悲しい歌が多かった、でも落ち着くことが出来た。

熱に浮かされたような季節で、僕は今よりも少しだけ若く、そして、脆かった。彼女の歌の脆さが、僕を惹きつけたのだと思う。


今度の Cocco の、最後のアルバムには、光が入っている。歌は、もう悲しくない。

歌うことが、自分を癒すための何かだったとしたら、その意味での歌というのは、彼女にとっては、もういらない。そういう、ことかもしれない。

いつか、また、別の形で彼女に会えるといいなと思う。