ネット&コンピュータの記事一覧(全 169件)

通信?ベンチャー

「自分はっ、大学時代はっ、、」

僕の横で、さっきから一人称「自分は」を繰り返している、ゴリラみたいな男を眺めていた。営業所の空調は切られていて、開けはなった窓から、初夏のなま暖かい風が吹き込んでいた。
「で、キミはどうなのかね?」

僕に質問が振られた。多分、この会社は、一人称に「自分」以外を使う人間を必要としていない。それは、今までのやり取りから、既に確信していた。
「はぁ、私は、、」

やたらめったら出した、就職活動のセミナー申し込みハガキ。僕は、ほとんどあらゆる業種に応募した。中でも、移動通信関連産業には、最も注目していた。折しも、携帯電話市場が、爆発的な成長を始めようとしていた時期であり、そこには際限ない右肩上がりの予感があった。

そして、てっきり通信業界かと思って参加した「その会社」のセミナーの資料には、意外な業務の実体が書かれていた。その会社、社名は通信関係のサー ビス業を匂わせているが、実はコピー機と携帯電話のディーラーだった。資料を読めば、会社の体質は一目瞭然。営業成績とそれに伴うインセンティブが全て。 つまりは金が全て、ということ。そんなの、願い下げだ。面接試験以降、僕はその会社に二度と呼ばれなかった。


しばらくして、新聞の一面に、しばしばその会社の名前が登場するようになった。間もなく、その会社は急激な株価の上昇によって、日本の新興企業の代 表格に祭り上げられていった。証券会社が「お勧めの銘柄」として紹介し、週刊誌には提灯記事が踊った。ネット関連株と言われていたが、実際はそうではな い。結局は、携帯電話を中心とした物販会社だった。しかし、その会社の株がブームになってしまうと、だれもそんなことは気にしなかった。

あの会社の業態、あの会社の戦略で、その株価は妥当なのか?そんな疑問にはっきりした回答はないまま、株価は上昇を続ける。僕は、その銘柄に全く関心が無かった。だって、コピー機と携帯電話のディーラーなのだ。それ以上でも、それ以下でもない。

一時期、20万円を超えた株価は、初の営業赤字決算を境に突然暴落する。連日ストップ安、売りが殺到しての比例配分、関連会社の相次ぐ倒産と、株主にとっては悪夢のような2ヶ月が過ぎた。今では株価 5,000円を大幅に割り込みながら、なおも下げ続けている。


安物の折り畳みテーブル、パイプチェア、冷房の切られた室内。にこやかで、無個性な面接官。とにかく金を集めてくること、それ以外は、最低限で十 分。僕が見たあの会社の印象は、そんな感じだった。人間を使い捨てにしそう、そんな気がした。そして数年後、ついに一つの幕切れ。

自虐系サイト

最近では、自虐系のサイトじゃないと読者には受けないらしい。羊ページみたいなスタンスは、あんまり受けないらしい。自虐系。下ネタ、内輪ネタ。泥酔した友達同士の会話か、あるいは深夜の長電話、そんな文章。うーん、楽しそうだな、確かに。

テレビも、ラジオも、雑誌も、Webも、メディアの世界では楽屋落ちが全盛。

ゴールデンウイーク中、久しぶりに長い時間ラジオを聞いた。どのDJも、「いやーー、世間は楽しいお休みですけど、私は仕事。なにやってんでしょう ねー」なんて調子で話しをつないでいる。もしレストランで、「いやー、お客様、今日はお休みですか?私なんかもう大変なんですよー、こうやって朝から、え んえんとお客様のお相手でして、、」なんて言われたら、間違いなくむかつく。しかし、メディアにおいては、こういうノリが許される。

僕自身、自虐系のサイトはかなり好き。ブックマークにもいくつか入っている。(というか、大半はその手のサイトだという気もする)しかし、自分でそ ういうものを書こう、という気にはならない。そういうものを書く才能自体、僕にはないけれど、もし、そういう路線で書いていたら、とっくの昔にこのページ は無くなっていただろう。

だいたい、その手のサイトは面白いけれど、長く続くことはほとんど無い。もって1年というところだろうか。でも、それは仕方のないことだと思う。自虐系、と言われるサイトの多くは、よそ行きでない自分を曝し、晴れ舞台ではない場所で、勝負している。

しかし、インターネットは所詮、実世界の上に成り立つ現実の世界。そこには、現実の人間がいて、社会がある。その現実の世界で、玄関を開けっ放しに して、住みつづけるなんてことは、やはり無理な相談なのだ。もし自虐という路線をとり続けるならば、もはや「芸人」として、客と相応の距離を測りながら やっていくしかない。そして、僕は「芸人」になるつもりは無く、従って自虐系でいくつもりも無い。だから、読者との距離は大事にしたい。

つまり、「羊ページ」はこれからも相変わらず、距離をおきまくったサイトでいきます。よろしくね。

畜産関連?

基本的に、いつも閑古鳥が鳴いている羊ページは(最近は読者の方も増えましたけど)、少しでもアクセス数を稼ぐため、日記猿人という日記リンクサイトに登録をしている。

日記リンクサイトの大手である、日記猿人には数千の日記サイトが登録している。日記猿人には、日記の更新を報告できる機能があり、視聴者(?)は新着順に表示される更新リストの中から適当に選んで、日記サイトめぐりができる。

さて、自分のサイトを更新して更新一覧を眺めると、どうしても羊ページの前後に更新したサイトが目に入ってくる。言ってみれば、今日のご近所さん だ。僕は、自分の前後にきたサイトには出来るだけ行ってみることにしている。面白い日記サイトとの出会いは、偶然の力に頼るしかないのだ。

ある日、更新リストで、羊ページの下をみてみると、「萌え萌えアニメ日記」と いうサイトが目に入った。はっきり言って、ここまで「押しの強いタイトル」というのは、めったにない。内容を簡潔にして十分に示すタイトル。何かわからな いが、伝わってくる強力なメッセージ。こちらは、「羊ページ」である。なんと押しの弱いことか。とりあえず、ご近所さんのよしみで中身を見てみることにし た。

、、よく分かりませんでした。

僕には、ある種の知識が足りないようだ、ということは分かりました。ここが、読者層を明確に絞ったサイトなのは確かです。内容も、凄く充実している と思われます。ターゲットを明確にする、というマーケティングの基本を守っているだけあって、羊ページなんて話しにならないヒット数を誇っています。なに よりも、その「押しの強いタイトル」で勝利しています。うーん、「羊ページ」もなんか名前を(サブタイトルでも)考えた方がいいかもしれませんね。あるい は、ページを畜産関連のコンテンツに一新するとか。

、、やらんが。