坂本龍一のツアーML

1月公演の坂本龍一のチケットが手元にある。95年の D&L Tour は校外実習のお陰でチケットを無駄にしてしまい、沖縄で涙したものだった。だから今年は意地でも聴きに行く。そのために、前日までにはスキーからも帰ってくる予定だ。

ところで、ツアー期間限定の ML(Mailing List)が運営されている。subscribe すると抽選でサイン入りの何かがもらえるというので、僕も登録した。unsubscribe 不能という珍しいシステムなのが気になったが、せいぜい1日50通ぐらいとたかをくくっていた。が、この前苗場から帰ってきて(たった1日半だけチェック しなかっただけなのに)メールを開いたら、未読543通っておい。落としながら寝てしまった。

平日の平均トラフィックはその後も増加し 300通/日だ。他の ML や知人のメールも含めて400通/日は耐え難い。あげくにプレゼントももれなくはずれたようだ。まあ、自分のメールボックスに Ryuichi Sakamoto なんていう名前が並ぶのは(教授自身、ちゃんとMLを全部読んでいるらしい。)、ファンとして悪くないけど。でも、これで家を空けたらどうなるのだろう か、、、。

CONTAX T2 がお亡くなりになった

愛用のコンパクトカメラ、CONTAX T2 がお亡くなりになった。修理に出したカメラ屋は「年内は無理でしょう」というつれない返事だった。「見た目が一番頑丈そうだった」から買ったのに、1年で壊れてしまった。ついてない。

レンズ付きフィルムで(かつての、使い捨てカメラ)写真を撮る人が多いけど、あれで撮れる写真ってせいぜい何が写ってるか分かる程度だし、結局は、 凄く高くついているんだってことを忘れちゃいけない。あれを1つ買うお金で、何本フィルムが買えるかな?誰が儲かって、だれが一生に一度しか撮ることので きない写真を、ああいう性能のもので撮らされているかっていうことだ。僕も最初は、凄く便利だと思ったけど、一回バラバラにしたみたことがあって、そのレンズがただのプラスチック片みたいなものだったのには愕然とした。うまいこと作ってあるのは認めるけど、性能とか以前の問題みたいだ。特に、APS版の画 質にはがっかりした。(これは、久しぶりにレンズ付きフィルムで撮ったからかもしれない)

しかしレンズ付きフィルムには、1つだけ凄くいい点がある。信頼性だ。レンズ付きフィルムは、簡単な歯車やノッチやバネなんかで動いている。だから、電池切れもないし(フラッシュは別)電装系のトラブルも無い。

カメラの性能は、機能じゃない、レンズの良し悪しだ。けれど、たいていの人はそんなことには目を向け無いみたいだ。例えばあなたが写したスナップ を、雑誌の写真かなんかと比べてみよう。とても同じカメラという機械で撮ったとは思えないくらい違うはずだ。これが、レンズの力だ。道具に頼るのは良くな いが、せめて自分の腕前が反映されるレンズが欲しい。レンズと撮影者の経験だけが、良い写真を撮るための近道だっていうことだ。少しぐらいもったいないと思っても、とりあえずシャッターを切ることが良い写真を撮るための唯一の方法なのだ。

カメラは永く使えるものだし(T2 もそのつもりで買ったんだけど・・・)本物を1つ買ってみるのも悪くない。なにも馬鹿でかい一眼レフを買えとはいわない。小さくても、丹念に作ったファイ ンダー式のコンパクトカメラが何種類か売られている。そういったものには、流行のズームや日付表示機能すらついていないが、出来上がってくる写真の写りは 素晴らしい。

そういう控えめなカメラならば、友達だって気がつかないだろう。さりげなく、使えばいい。そういうカメラのレンズは、色と光と、ぼやけまでが描写として計算されているはずだ。そういう職人的な仕事を感じられる道具というのは、なかなか身の回りにはないんじゃないだろうか。

お節介な善意

報道の真実という話を、するつもりは、ない。

しかし、この時代、いかに情報が信用ならないのかということを、いくらでも疑うべきだとは言える。例えば、このページに載せられている情報。分かり易い例で言うと、「フォトギャラリー」の写真である。

この写真、実は全て修正されている。もちろん、この場合は、ないものを書き加えたとか、何かを消したとか、そういうことではない。バランス補正やコントラストの調整、フィルタ加工などによって「見やすく」(脚注)されているのである。

もちろん、私は悪意を持って写真のスキャンデータを加工しているのではない。しかし、世の中で行われる「修正」の大半も「悪意のない」ものだ。むしろ、そこにはお節介な善意が満ちているのだ。


脚注:厳密に言えば、印画紙の上に再現される写真を、ディスプレイの蛍光体の上に再現されるコンピュータ画像としてそのまま取り込むことは、そもそも不可能。画像をデータにする過程での劣化や、スキャナの「癖」などをトータルに考えて画像を加工するのは、仕方のないことだといえる。そもそも、1,000枚の 中から任意で数十枚を選び、配置し、キャプションをつける段階から「修正」は始まっている。
脚注2:今はフォトギャラリーのコーナーは各投稿ジャンルとして掲載されています。