羊をめぐる冒険

ファーストフードで、食べ残しのポテトと、包み紙と、紙コップ、ストロー、使い終わったナプキン、を捨てた。

ファーストフードで、食べ残しとゴミを、捨てる。

実に単純なことだ。


村上春樹の、「羊をめぐる冒険」の話をしていた。

小説の書き出しは、こんな風だ。

新聞で偶然彼女の死を知った友人が電話で僕にそれを教えてくれた。(注1)

余計な物は、いっさい捨てた文章。


僕は、捨てるのが極端に下手だ。

カラスには、光るものを見境無く巣にため込む習性があるそうだ。

僕は、いろんなものを抱え、捨てられない。

抱えているものが、自分から何かを奪い続けるとしても、だ。

羊をめぐる冒険(上) page 9 line 1 , 1985, 村上春樹, 講談社文庫.

宇多田ヒカル

「やはり、宇多田ヒカルは凄い」と思い、遅ればせながらアルバムを買おうとした。が、新宿近辺ではことごとく売り切れている。

3軒目の店に入り、宇多田の顔がプリントされたアルバムジャケットを発見。
「おお、あるじゃん」と思っていそいそとレジに行く。

背広姿のビジネスマンが、「お客様、こちらシングルになりますが、よろしいでしょうか?」とレジの人に言われてしまうのは、かなり恥ずかしい。(だってシングルとアルバムのデザインが似てるから、、)

恐るべし、宇多田ヒカル。(団子 3兄弟はあった。買わないが。)

HANABI

北野武監督の「HANABI」を見た。さっぱりしていて、いい映画だった。

失っていくことを描いた映画だったけれど、綺麗だった。


(内容をばらされたくない人は、この下は読まないように。ただし、筋が分かっても、別にどうという映画ではないが。)

不治の病におかされた妻。主人公で、元刑事の男は、現行強盗をして奪った金で、妻と一緒に旅に出る。

二人の会話はほとんど無いが、必要としあい、信頼しあっている空気がちゃんと伝わってくる。男はタフだけれど、妻が死んだら生きてはいられない、ということが何となく分かってしまう。


映画の終盤、男は、車のサイドミラーに、追っ手であるかつての自分の部下の姿を認める。

懐の拳銃に 2発、弾丸を込めて男は歩み寄る。
「もう少し、待ってくれ」

浜辺で凧を揚げる少女を眺めながら、男と妻は寄り添う。妻は二言、「ありがとう、、、ごめんね。」と言った。


カメラは海を、映している。銃声は 2発。男と妻で 2人、追っ手の刑事も 2人。しかし、物語の結末はあえて映す必要もないのだろう。

この終わり方は、不思議と、悲しくない。