宇多田ヒカル

「やはり、宇多田ヒカルは凄い」と思い、遅ればせながらアルバムを買おうとした。が、新宿近辺ではことごとく売り切れている。

3軒目の店に入り、宇多田の顔がプリントされたアルバムジャケットを発見。
「おお、あるじゃん」と思っていそいそとレジに行く。

背広姿のビジネスマンが、「お客様、こちらシングルになりますが、よろしいでしょうか?」とレジの人に言われてしまうのは、かなり恥ずかしい。(だってシングルとアルバムのデザインが似てるから、、)

恐るべし、宇多田ヒカル。(団子 3兄弟はあった。買わないが。)

HANABI

北野武監督の「HANABI」を見た。さっぱりしていて、いい映画だった。

失っていくことを描いた映画だったけれど、綺麗だった。


(内容をばらされたくない人は、この下は読まないように。ただし、筋が分かっても、別にどうという映画ではないが。)

不治の病におかされた妻。主人公で、元刑事の男は、現行強盗をして奪った金で、妻と一緒に旅に出る。

二人の会話はほとんど無いが、必要としあい、信頼しあっている空気がちゃんと伝わってくる。男はタフだけれど、妻が死んだら生きてはいられない、ということが何となく分かってしまう。


映画の終盤、男は、車のサイドミラーに、追っ手であるかつての自分の部下の姿を認める。

懐の拳銃に 2発、弾丸を込めて男は歩み寄る。
「もう少し、待ってくれ」

浜辺で凧を揚げる少女を眺めながら、男と妻は寄り添う。妻は二言、「ありがとう、、、ごめんね。」と言った。


カメラは海を、映している。銃声は 2発。男と妻で 2人、追っ手の刑事も 2人。しかし、物語の結末はあえて映す必要もないのだろう。

この終わり方は、不思議と、悲しくない。

プライベート・ライアン

今年、もっとも面白かった映画は、おそらく(僕は見ていないのだけれど)タイタニックだろう。特に、その高い特殊効果技術は、各メディアで繰り返し 取り上げられていた。(もっとも、映画タイタニックのCGを支えたDECが、今年永遠に消えてしまったのはなんとも皮肉な話だ。)

しかし、タイタニックの陰に隠れて目立たなかったとはいえ、タイタニックを越える特殊効果技術賞をあげたい作品がある。それは「プライベート・ライアン」。

この映画、筋立てはなにもない。一応あるが、あまり関係ない。

この映画の最大の売りは、未だかつてなかったリアルな「戦場」だ。


爆音、衝撃波、圧倒的な残酷。この映画の思い切りのよい点は、戦場の再現にのみ集中し、反戦とか人間ドラマとか、そういう押しつけがましい要素が何 一つない(描くのに失敗しているだけかもしれないが)点にある。戦闘では、人間が飛び散るし、着弾音が劇場を揺るがす。はんぱない。特殊効果の存在を感じ させない丁寧な作りも好感が持てる。

ライアンを見た後に食事をするのはかなりきつくなること請け合い。目を背けたくなる光景も続出で、ホラー映画なんてかわいいものだ。

で、確かにきつい映画ではあるのだが、不思議としばらくしてショックから立ち直ると、もう一度見たくなる。怖いモノ見たさというか、ジェットコースターのようなものなのかもしれない。

ちなみに、似たような話題作にアルマゲドンというのがあるが、あの映画の良い部分は全て予告CMの中に凝縮されているので、特に劇場まで行く必要はない。(あそこしか見るところがない)