金魚

Photo: 金魚 Tokyo, 2005. Contax i4R, Carl Zeiss Tessar T* F2.8/6.5.

Photo: "金魚" Tokyo, 2005. Contax i4R, Carl Zeiss Tessar T* F2.8/6.5.

友人が死んだ。

死んだ、という知らせを聞いて、あまり驚きはしなかった。詳しい話は聞いていない。


少し前に、わざわざ電話をかけてきて、「借りたカメラ、まだ返せそうにない」と言ってきたのは、電話する理由が必要だったのか、あるいは、なにかの 予感だったのか。ひどく律儀な電話だった。戦コンまでやった人だったけれど、繊細だった。むかつく人間には本気で怒った。六本木の怪しいカリビアンクラブ (踊る方)でボスらしき、スキンヘッドの熊みたいにでかいガイジンとハグで挨拶しているのを見たときは、この人はいったい何の人なのかと思った。


彼が通っていた飲み屋は、僕が通っている店でもあり、彼の大好きなばくらいでも頼もうかと思ったが、あいにくと盛夏にあっては、献立にない。せめ て、よく飲んでいた金魚でも。ロックグラスに焼酎を注ぎ、水草にみたてた大葉と、真っ赤な鷹の爪を入れると、泳ぎ出す。この金魚は、下手につついたりする と怒って辛くなる。

初めてのボーナスで買ったもの

Photo: RD600 2005. Sony Cyber-shot U40, 5mm(33mm)/F2.8

Photo: "RD600" 2005. Sony Cyber-shot U40, 5mm(33mm)/F2.8

初めてのボーナスの使い道は、Roland の 88鍵マスターキーボードだった。ピアノなんて全然やったことが無くて、でもどうしても欲しかったので買った。

でも、やっぱり弾きようが無くて、そのままほったらかした。そして数年。


少し前、ジャズシンガーと友達になってから、ライブにたまに行くようになった。エアコンの吹き出し口から、結露した湿気が霧のように吹き出す、そんな地下のライブハウスで「音楽」を聞いていると、ふつふつとこみあげるものはある。

Kurzweil を買うか、Roland にするか、散々迷って、鍵盤のオイルダンパーがしっかりしていたから選んだ Roland RD600。流石日本メーカー、ながらくほったらかしだったが、まるで劣化していない。実は、練習のための Sennheiser のヘッドフォンも、そのままの題名が清々しいテキスト「おとなのためのピアノ教本」も、とっくに揃えてあって、あとは鍵盤に向かうばかりではあったのだ。

何の目標があるわけでもなく、未だ何が弾けるわけでもないのだが、バイエルにも及ばないへたれ練習曲を無心に繰り返していると、頭の違う場所が起き始めて、ミュージシャンの恍惚、みたいなものが分かるような気になる。あと、手が筋肉痛。


関係ないけど、「トルネード竜巻」っていうバンド。名前のインパクトで言うと、空気公団以来なんだけど、気になる。ボーカルの声が、完全にストライク。

ぷりぷり

Photo: ぷりぷり 2004. Tokyo, Sony Cyber-shot U10, 5mm(33mm)/F2.8

Photo: "ぷりぷり" 2004. Tokyo, Sony Cyber-shot U10, 5mm(33mm)/F2.8

大人になったら食べられるようになると思っていたモノ。塩辛、コーヒー。

コーヒーは未だに好きじゃないが、塩辛は好きになった。


お土産のお裾分けでもらった、海老の塩辛。旨み成分のカタマリを食べているような、濃厚な味。ぼたんえびだと思うんだけど、塩味で引き締まって、ぷりぷりしてる。もらい物じゃなかったらお代わりしてるね。