今世紀も、羊ページは続くようです

20世紀から引き続きご愛読の皆さん、こんにちは。羊ページです。今世紀も、羊ページは続くようですよ。

朝。アルコールの霧をまとった頭で、家の近所をテクテク歩いていると、ちょっと遅い冬の太陽が昇ってくる。寝不足でカラカラに乾いた目を向けると、森の近くの野球場では、早朝練習が始まっていた。

体に染みついた夜の空気を、刺すような冷気が払い去っていく。徹夜で飲んだ時、タクシーを少し遠くで降りることにしているのは、そのせいだ。新しく一日が生まれる瞬間を見てから、寝る。綺麗な光が見られる。まあ、体には良くないけど。


さて、正確に言えば、この文章は 2000年に書いている。そして、書きながら片手間に見ているテレビは、映画「市民ケーン」だったりする。つまり、僕が 20世紀最後にしたことは、「市民ケーン」を観ることと、ThinkPad に向かってこの原稿を書くことだったわけだ。(もしかすると、「風呂に入る」になるかもしれない。そこらへんは、予断を許さない)

Y2K

Y2Kで出社したはいいが、やることが無くて暇で暇で仕方ない皆さん、ご苦労様です。まだまだ帰れませんね。明けましておめでとうございます、羊ページです。

羊ページの作者は、残念ながら皆さんの退屈を癒すような面白いことが書ける人間ではないのですが、90年代の皆様のご愛顧に感謝するとともに(90年代か、、)新年のご挨拶もかねて更新しています。今年もよろしく。


最近見たコマーシャルの中で、少しいいなと思うのはネスレのコマーシャル。(ネスレは、ネッスル ブランドやネスカフェで知られる、ヨーロッパの超大手食品系コングロマリット。インスタントコーヒーというものを世に送り出した会社)

革ジャンにメタルな衣装で身を包んだ、ハードコアな感じの人たちが、カフェでコーヒーを飲んでいる風景が映る。なんかのライブの後か、あるいは、ク ラブの帰りか、みんなで盛り上がって楽しそう。で、カメラが引いていくと、その中の一人は、車椅子なのだ。でも、その風景はごく自然だ。(わざとらしく感 じたりする人も、当然いるだろうが)そんな感じのシーンが、いくつかつながれたCM。
このCMを見ると、僕は単純にいいなー、と思ってしまう。そして、日本人にはまだまだこういうCMはつくれないだろうな、とも思う。
僕は、昔、整形外科に何ヶ月か入院したことがあって、ハンディキャップドな人と沢山知り合いになった。その時に、ハンディがいかにその人の本質を見 えにくくしがちか、また、日本社会が、そうしたものに対していかに無頓着かを思い知った。それまで社会の一線で活躍していた人が、単に、歩けなくなっただ けで仕事も友人も、将来の計画も、みんな失ってしまうのだ。
あるいは、年末に病院通いをして、健常者(キライな言葉だが)優先の過酷な社会としての日本社会、というものについて再び考えさせられることになった。1週間に5日、自力で出社し、8時間働く。これは、簡単なようで、実は大変なことだ。もし、何かの事故で歩行能力を奪われたらどうか、あるいは病気で人工透析が必要になったりしたらどうだろうか。もっと、多様な働き方、社会への貢献の仕方が許されて当然ではないかと思う。よくよく考えてみると、日本の社会は、健常者優先どころか非健常者無視の社会だと気がつく。
2000年の到来で、みんなが前を見るのは良いことだと思う。しかし、なにを置き去りにしてはいけないのか、を常に考えることも大切に違いない。
柄ではないかもしれないが、新しい1000年は多様性と共生の時代になるといい。まあ、100年も200年も生きられるわけじゃないので、とりあえず、革ジャン野郎の車椅子がうろうろする夜の街、そんな光景が日本で見られたらいいと思う。

注:ここで言及しているのは、CNNのAsia-Pacific向けフィードで流れているCM。ただし、地上波でも同じものを放送している。

10,000ヒット

明けましておめでとうございます。おかげさまで、10,000ヒットも近そうです。今年も「羊ページ」をよろしく。