CSに漁師町ぶらりという番組がある。おっさんが一人、漁師町をただぶらぶらするという凄い番組だ。最初に見たときはかなり腹が立ったが、最近は気に入ってみている。
この番組の凄いところは、あのテレビ東京が確立した「旅番組の様式美」というものをことごとく無視している点にある。つまり、ちょっと旬の過ぎた芸能人が、有名どころの観光地を訪れ、地元の人と交流しながら、誰でも知ってる豆知識や、意味のないお買い得情報を仕入れ、偶然開かれている祭り(または朝 市)を見学し、地元の名物料理に舌鼓を打ち、露天風呂に浸かって、あるいはちょっとしたお土産を買ったりする、というモデルだ。
漁師町ぶらりは、これをことごとく無視する。
まず、レポーターはよく知らないおっさんだ。何かものを書いているようだが、少なくとも芸能人ではない。訪れるのは、観光地ではなくて漁港。だいたいは、まったくどこにあるのか想像も付かない小さな漁港に行く。で、おっさんは魚とか漁にはやたら詳しくて、別に地元の人に聞いたりしないでも「ああ、これはアカマンボウ」とか分かってしまう。漁港の食堂で飯を食ったりはするが、名物というよりも、煮付けが好きという理由で適当に魚の煮付けを食っていたりする。当然、何の脈絡もなく行っているので、祭りもなにも完全にフツーの漁港の日常である。恐ろしいことに、旅番組の必須事項である、「温泉」にも入らない。
しかし、茹で蛸加工工場とか、遠洋漁業の冷凍船の荷揚げ場とか、ちょっと想像の付かない渋い現場に入っていったりするのが楽しいので見ている。アフリカで採れた蛸が、冷凍ハン・ソロみたいになって加工を待っている光景は、なかなか戦慄するものがあった。
さて、この番組なんとなくもう20回ぐらい続いているようなのだが、あんまりお便りとかは来ていないみたいだ。おっさんの第一印象が怖そうなのも、 ちょっと影響している気がする。なので、今ならお便りを出した人全員に、サイン入りのパンフレットがプレゼントされるらしい。そういうあたりも、この番組が気に入っている理由なのだ。
大変面白く見ております。小生も新潟県生まれ1952です。新潟には当時少ないタイプの人と思われます。
いろいろな人との交流で、新潟弁丸出しです。ぐっとです。実際はお店を経営しているとのことですが、
これからもお体を大事に普通に頑張ってください。応援しております。
nakamuranobuoさん
コメントありがとうございます。
先日、西潟さんの本を読んでみました。
番組の語り口そのままで、面白かったです。ただ、年々漁獲が失われていく寂しさとか、そういう部分も、感じられました。
最近CSでやってないのですが、是非再放送してほしいところです。