好きなモノを並べる。
幸せ。
注:全部一人で喰ったわけではない。
写真と紀行文
好きなモノを並べる。
幸せ。
注:全部一人で喰ったわけではない。
日本人ならマグロ!とか言うわけだけど、僕は別にマグロ好きじゃない。周りでも、あんまりマグロ好きなんていないんだけど、ホントに皆好きなのかな?
大トロとか食べると、ほとんど牛肉だね、というぐらい脂がのっていて甘かったりするが、なら牛肉で良いと思ってしまう。ナマニクの方が美味いじゃ ん。日本人なら!みたいなステレオタイプというか、おきまりみたいなのが気に入らないから、あるいはそんなことを考えるのかもしれないが。
でも、味とかそういうのではなくて、沢山盛り合わせて楽しいとか、そういう鮨もあっていい。そんな時には、確かに鮪があるとなんか絵になる。こうい う所に来ると、メニューを指さして「ここから、ここまで」とか頼んじゃうマネジャーが居て、それどんどん盛れ、みたいな感じになる。
もう盛り合わさって出てきた瞬間に、腹一杯になるようなビジュアルショック。たいていはじっこに追いやられている、着色料丸出しの山牛蒡巻きが、実 はすごく好きなのだが、そんなものにうつつを抜かしているととても完食はできない量。でも、気取らずに沢山食べる、っていうのは楽しい。これからの季節、 マズイ居酒屋で変な忘年会とかするぐらいなら、鮨食って終了とかの方がいいかもね、と思う。
で、また鮪残ってるぞ、誰か食え。(お前が食え)
「あー、満月」
と言われて、でも、2人は歩いていたから月は直ぐに建物の影に姿を隠した。僕の方が背が高いから、ちょっとだけ長く月が見えていた。だから、あれが満月じゃないことは分かった。でも、
「うん、そうだね」
と一瞬の間をおいて、言うぐらいの気は利いていた。
「ホントに見えたの?」
夜が更けて、丘の上の道を歩いていると、月がまた顔を出していた。
「あ、満月じゃない」
ちょっとした嘘。少しは嬉しそうにしてもらえた、かもしれない。