ニューオリンズ早朝

Photo: 1998. New Orleans, CONTAX T2 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/38

Photo: 1998. New Orleans, CONTAX T2 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/38

僕は、ニューオリンズを初めて訪れた。1998年、夏のことだ。

この写真は、早朝のニューオリンズ市街。新宿で言えば、都庁前の通りあたりに相当する。

少し早起きをして(というか、同室の人がやたらと早起きだったので僕も一緒に起きる羽目になった)、まだ少し冷えた風の残る街に出た。

昨日の夜は雨だった。夜明け近くまで降り続いた雨が、空気をキンキンに澄ませた。空が綺麗。

線路が見えるが、ミシシッピー河沿いや市内中心部には、路面電車が走っている。左手の赤煉瓦の建物は、完成すれば世界最大のカジノになるはずだったが、建設途中でオーナーが破産してしまい、作りかけのまま放置されている。

台風あるいは、Y2K

多分、台風が来ると、無意識のうちにわくわくしてしまう人、というのは居るはずだ。

あるいは、大雪が降りそう、なんてことになると、何かを期待してしまう人も居ると思う。

Y2K にも、どこかそんな所がある。不謹慎なお祭り気分というか、非常事態特有の盛り上がりというか、そんな感じ。しかも、僕なんかは超関係者として参加するわけだから、さらにライブ感が増すというものだ。

まあ、実際には、正月のくそ寒い中、早起きして電車に乗ったりする段階でウンザリするのだろうし、「去年は今頃スキー場だったぞ」とか思うとさらにウンザリだろう。昼飯だって、冷え冷えの弁当だろうし、コールが無くて暇でも酒飲んで待ってるわけにもいかないし、、。

漠然としたワクワク感と、散文的な現実。その意味では、大雪でせっかく気分が盛り上がっても、動かなくなった電車に詰め込まれてたちまちげっそりするのと同じことだ。


しかし、違う考え方もある。それは、輝かしい「オヤジ武勇伝」の 1ページとしてのY2Kである。この Y2K 騒動に荷担しておけば、あとあと「ミレニアム・オヤジ武勇伝」として使えることは間違いない。これは、とても貴重だ。

10年後。新年会の宴もたけなわとなった頃に、「あの時は一時間に 30本の電話をさばいたもんだよ。だいたい最近の、、」とか語りだして、不幸にも隣に座ってしまった非Y2K世代の同僚に迷惑をかけることができるのである。

戦後生まれで、全共闘でもなく、バブルにも乗れなかった世代。女子大生ブームの頃は中高生で、コギャルブームの頃は大学生だった日の当たらない世代。そんな僕らには、実は、Y2Kぐらいしか武勇伝のネタはないのだ。

注:よくよく調べてみたら、僕のシフトの時間はちゃんと(暖かい)食事が用意されるみたいだ。通常よりは、メニューの選択肢がぐっと減るが、冷やご飯よりずっといい。

変な病気では

変な病気ではありませんでした。良かった。

マネージャーから、「年末年始の特別医療体制に関して(Y2K 対応の人たち用)」というメールがフォワードされてきた。「これでいつ下血しても平気です、やったね!(一部脚色)」というコメントとともに、、。