動物園でも公園でも、動物を見るのは、なんだかとても良い事で、それもいろんなのを回るのではなくて、同じヤツをじっくり見るのが良い。
カピバラ。見ていると、やっぱりヤツらはたいてい寝ている。がぶがぶ水を飲んだり、もさもさ食べたりしている以外は、だいたい寝ている。
寝ているのが普通で、動いているのが例外。
動物って、本来こうあるべきなんだろうと思う。もちろん、人間だって寝ていたらいいんだと思う。のんびり寝ているために、働いたり、頑張ったりするんだよね。
写真と紀行文
カピバラ。見ていると、やっぱりヤツらはたいてい寝ている。がぶがぶ水を飲んだり、もさもさ食べたりしている以外は、だいたい寝ている。
寝ているのが普通で、動いているのが例外。
動物って、本来こうあるべきなんだろうと思う。もちろん、人間だって寝ていたらいいんだと思う。のんびり寝ているために、働いたり、頑張ったりするんだよね。
落ち葉を踏んで果てしない坂を登ると、実際には、ちょっとした小山のようなものだけれど、蹲(つくばい)に最後の紫陽花が浮かんでいた。
京都の初夏はやはり暑くて、涼を求めて頂の喫茶店に逃げ込んだ。
かき氷の氷は、フワフワというよりシャクシャクだったけれど、ペタペタに汗まみれになって、カラカラに乾いた体には気持ちが良い。
古民家改造カフェ、みたいなものは、とっても苦手なのだけれど、これはいいね。
特に空いてるのが、凄くいい。(休日は大行列だそうです)
大阪に来た時には、少し無理をしても、行きたい店がある。鶴橋の焼肉街からは外れた場所にある、もう40年以上やっている店だ。
カウンターに並んだロースター、造花と黒電話、阪神戦を流すテレビ。出てくるホルモンは安くてうまい。オヤジと息子の二人で、ずっと切り盛りしている。僕は人情肌の店主というのが苦手なのだが、ここのオヤジさんの威勢は好きだ。
半年ほど前、オヤジは少し元気が無くて、息子が店に立っていないことへの、常連客の質問にも言葉を濁したものだった。
だから、盛夏の折、久々の店に近づきながらも、オヤジ大丈夫かな、と少なからず心配だったのだ。
しかし、今日は入口近くのカウンターに腰掛けたオヤジは、戸が開くと嬉しそうに、よぉ、久しぶり!と迎えてくれた。
先客の居ないカウンターの奥では、だいぶ白髪の増えた息子が、いつものようにビビンバの支度をしていた。オヤジほど、愛想があるわけじゃないが、そんな空気も含めてのこの店だ。
息子は店に戻って来ていた。いいかげん肉の仕事は息子に任せたのかとおもったら、やっぱりオヤジが肉を切ってタレと和えている。息子が(とはいっても、僕よりもだいぶ上なわけだが)ビールを出してくれる。
切りたてのばら肉も、瑞々しいシンゾウ(ハツ)も、しみじみいい色をしている。
そんな店の仕事を見ながら、良かったなぁ、と思う。
オヤジはとても幸せそうで、最初にこの店の暖簾をくぐった十年前と同じように、さ、何にしよか、何からいくか。と声をかけてくる。いつもの掛け声だ。
新幹線の時間を気にしつつ、今日は良かったなぁ、と、本当に思った。