旅&食の記事一覧(全 233件)

ビールにテキーラ

Photo: 2002. Tokyo, Japan, Canon Power Shot G1 2.0-2.5/7-21(34-102), JPEG.
Photo: 2002. Tokyo, Japan, Canon Power Shot G1 2.0-2.5/7-21(34-102), JPEG.

「君たちと一緒に飲もうと思って、買ってきた」

3人で炬燵を囲む。沖縄硝子のジョッキが揃いで 3つ。飴色の胴体と、碧色の把手が解け合った、不思議な姿。冷えたビールを注ぐと、生き物のように輝く。碧色の把手が、砂漠に立つサボテンみたい。僕は、ふと、そんな事を思う。


ビールにテキーラを入れるのは、友達が 神戸のバーテン に教わった方法だと言う。ビールの苦みが不思議と消え、竜舌蘭の甘い匂いが心地よい。テキーラに限らず、ジンでもラムでも、好きな蒸留酒を入れると、ビール嫌いにも美味しく飲めるらしい。

「眠れないときに、いい」

でも、その時僕はとても眠くて、ジョッキを干した後、あっという間に寝てしまった。夜明けまで頑張るつもりらしい 2人の話し声が、やがて遠のき、そして何も分からなくなった。


追伸:目覚めは、完徹した友達が弾く、エレキギターの音でした。


注1:竜舌蘭はテキーラの主原料。本当にその匂いか?と聞かれると自信ないが、まあ、雰囲気。
注2:こ‐たつ【炬燵・火燵】床ゆかをきって炉を設け、上にやぐらを置き、蒲団(ふとん)をかけて暖をとるもの。また、床を切らずにやぐらの中に火を入れた置き炬燵もある。季語:冬。「電気―」[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]

パン屋の話

パン屋の話の続き。

で、パン屋としてはどんなパンを作りたいのかというと、これはもう絶対に「生ハムサンドイッチ」だ。


ある日、ローマの駅で、朝飯を買うために売店に寄った。

ワラワラと、人が集まっているあたりに行ってみる。パン屋というか、弁当屋というか。混沌とパンが積み上げられ、肉がぶら下がっている売店。その Kiosk みたいな狭い店で、おやじが 2名、キビキビとサンドイッチをつくっている。イタリア語なんて読めやしないので、なにやら一番安いやつを頼んだ。

確か、300円ぐらいのものだっただろう。分厚いコッペパンのような大ぶりのパンに、厚切りで匂いの強いプロシュートを挟んだだけのサンドイッチ。 それを紙袋に入れて、渡してくれた。味付けは無し。これが、めちゃくちゃ美味かった。肉とパン。それを、電車に揺られながら囓った。(ちょっと、のどが渇 いたけど)


食肉の輸入自由化に伴って、日本でもいろんな生ハムを食べられるようになった。だから、生ハムのサンドイッチというものも、たまに見かける。レタス とか、オリーブとか、具がいっぱい入ったヤツ。しかし、ただ単にパンに生ハムを挟んだだけの、シンプルなものは見たことがない。あの時食べた、お弁当的 「生ハムサンドイッチ」には、まだ巡り会っていないのだ。

だから、うちで売る。(いや、別に開店することが決まっているわけでも、なんでもありませんが)

まあ、あんまし人気になりそうなメニューじゃないんだけど。

注1:生ハムサンドイッチは、言うまでもなく、自分でつくろうと思えば作れます。なるべく厚切りで、塩分控えめのプロシュートを入手すると良いと思います。

夕方開店のパン屋

パン屋になろうと思っている。

パン屋は朝が早い。早起きの苦手な僕にとって、それがほぼ唯一の障害である。気温が低い朝のほうが、確かにパンをつくるのには向いていそう。だからといって、他の時間帯では絶対にできない、というわけでもあるまい。


考えてみれば、帰宅間際の OL を狙って、夕方に焼き上がるパン屋というのは、案外儲かりそうだ。そういうビジネスモデルのパン屋というのは、あまり見たことがないが。

午後 8時から焼き上がる、夜のパン屋。

どうかなぁ?

注:正確に言えば、パン屋という選択の可能性と実現性について、ときたま考えているということだ。