Bluetooth DAC が意外と良い

Photo: “Radsone Earstudio ES100.”

Photo: “Radsone Earstudio ES100.” 2019. Apple iPhone XS max.

iPhone XS maxに替えて、思っていたより良い製品で大変満足していたのだが、飛行機でノイズキャンセリングイヤフォンを出したときに、あ、これジャックねーじゃんという事に改めて思い至った。その時は、会社携帯でしのいだけれど、いつかはなんとかしなくては。結構気に入っているQuietComfort20をお払い箱にするのは忍びない。答えはBluetoothかDACだが、前に衝動買いしていたM-AudioのUSB DACをXSは認識してくれなかった。

買うか、DAC。何も考えずにAppleの尻尾でも良いかと思ったが、そんないい加減なガジェット選びでは、いけない。とはいえ、有線式のポータブルアンプ、絶対使わなくなる自信がある。実際、M-AudioのDACはろくに使わなかったし。


しばらく見ない間にBluetooth DACがだいぶ進化していて、候補は簡単に見つかった。値段もオーディオ界で言えば消費税みたいなもの。このあたりは、目を離したら直ぐに進化する。外付DACは、相対的にはニッチな製品だと思うが、スマホのアクセサリーとなると母集団の規模が違うのだろう。

少し調べてFiiO BTR3にほぼ決めてかけたのだけれど、土壇場でRadsone Earstudio ES100に変更。見た目の完成度とかはFiiOだけど、クラウドファンディングとか、頻繁なファームウェアアップデートとか、無数に細かい設定とか、僕が買わなきゃいけない要素がありまくる。バッテリー持続時間は公称14時間だから、ヘッドフォン側よりも長い。


雪の中、いつも驚異的に愛想が良いヨドバシエクストリーム便がその日のうちに届けてくれた。申し訳ない。パッケージを開けて、iPhoneの設定用アプリに繋いだ瞬間にファームウェア・アップデートを求められ、しかもMacのターミナル経由でアップデートをかける必要があるというハードル。スマホではメインテナンスが完結できず、それなりの知識が前提という所で、およそマニア層向け。とはいえ、見た目や質感は思ったより悪くないし、サイズも悪くない。

暫く使ってみて、音はもちろん、多分、良い。それは主観の問題。無音時のノイズがまるで無いのが良いし、アナログボリュームが内蔵されているのも合理的。アプリから使われているcodecが確認できるのが精神衛生上良い。オーディオなんて、スペックで食べるようなものだから、デュアルDACなのもわかりやすく音が良さそう。


かつて見たことが無いほどの、ワイヤレスイヤフォン装着率を誇るサンノゼ便で、この組み合わせは十分に動作した。物理プラグがあるから機内のVODも見られるし、特に電源をON/OFFすることも無く10時間動作して、DACのバッテリーは30%も残っていた。良い買い物だったと思う。

美マヤー

Photo: "Beautiful Mayaa (Okinawa cat)."

Photo: “Beautiful Mayaa (Okinawa cat).” 2019. Okinawa, Japan, Fujifilm X-Pro2, Fujifilm M Mount Adaptor + Carl Zeiss Biogon T*2,8/28 ZM, PROVIA filter

とても綺麗な猫が居た。美マヤー。(マヤー = 猫)

猫だまりの猫たちは、まだ僕を警戒して遠くに取り巻いているが、彼女(多分)だけは、悠然と毛繕いをしている。そして、時折鋭い野良の目で僕を見る。

暮れていく空は、めまぐるしく色を変え、遠巻きにしていた他の猫たちも、だんだん近づいてくる。自分の日常から遠く離れた島で、この生きものたちと一緒にいるこの時間。

夏と違って、ずいぶん冷たい風が吹き付けるこの場所には、生まれたばかりの子猫を連れた母親の姿もある。早く春になって、楽に過ごせるようになったらいいね。

シャングリラ で君といつまでも

Photo: “Sherry & tonic.”

Photo: “Sherry & tonic.” 2017. Tokyo, Japan, Apple iPhone 6S.

ピアノで奏でられるYMO「東風」が流れるバーで、ろくでもない話をしている。もう、この業界に居るのは限界かもしれない。毎度のこと、そんな話をしている。

高い値段の店で、自分の金で飲みに来ている人間が、一体どれ程いるのかは分からない。幸せそうな、あるいは、幸せそうに偽った微笑みと、笑い声がさざ波のように、高い天井に響いている。

こういう所にくると、幸せそうな人しか居ない。だから、たまにはこんな所に来たいんです、と後輩は言った。確かに、そうかもしれない。愚痴を言いながら、地上にへばりついて飲むのもよいけれど、こうして、根っこを抜かれて上に来てしまえば、あまり文句も言いたくなくなるものだ。


素晴らしいフォルムの角氷が入った、シェリーのトニックの味は、いつものバーに比べたらたいしたものではなかったけれど、高い天井とその向こうに広がっている都心の夜景の光が融けて、見た目は最高なのだった。

ピアノにはいつの間にか歌が付いて、ビリージョエルを歌っている。「のし上がってやるぜ」みたいな曲達は、結構この中途半端で新しい場所に合っている気がする。そして次の曲は、シャングリラ29階でまさかの加山雄三「君といつまでも」。

良い曲だとは思うが、ここでそれはやめろ。