マジカルアワー

Photo: A Magical Hour 2005. Contax Tvs Digital, Carl Zeiss Vario Sonnar T* F2.8-4.8/35mm-105.

Photo: "A Magical Hour" 2005. Contax Tvs Digital, Carl Zeiss Vario Sonnar T* F2.8-4.8/35mm-105.

払暁、撮影者にとってのマジカルアワー。宿のベランダから、未だ生まれぬ朝日に雪山が照らされる。深夜にこの部屋に着いたので、周りの様子はまるで分からなかった。こんなに山が近かったか。目を洗うような白に、裸足でベランダに飛び出した。

残念ながら、コンパクトデジカメでこの色が出ない。(僕の腕なんだろうが)以前、重たい思いをして AF 一眼レフを背負って滑ったのは良いが、低温でちっともうまく動作せず、それっきりスキーにカメラを持って行く気が無かった。こんなことなら、T3 ぐらい持ってくるんだった。


「雪国」に来たのは、実は数年ぶりで、キリリとした寒さが一瞬気持ちいい。まあ、その後は体が冷えてしまって、どうにもならないんだが。

温泉につかってジワジワしていると、足と手の先に温かさがしみ込んでくる。湯気の向こうに、自分の足先が覗いているのを眺めながら、単純に「これはいいなぁ」と思う。旅に出たときに、昔は色々考えたけど、最近はあまり考えないようになった。

深く息を吸い込む時間。

自家製ソーセージ

Photo: 自家製ソーセージ 2005. Contax Tvs Digital, Carl Zeiss Vario Sonnar T* F2.8-4.8/35mm-105.

Photo: "自家製ソーセージ" 2005. Contax Tvs Digital, Carl Zeiss Vario Sonnar T* F2.8-4.8/35mm-105.

えらく忙しくて、考えることもやることもいっぱいある感じ。いっぱいいっぱい。息抜きに、近所の店に食事がてら飲みに行く。そしてたら、お客さんが立て込んでいて、店主がいっぱいいっぱいだった。(ガラガラと皿を割っていた)

一段落するまで、とりあえずお預けをくって(水もでねぇぞ)、「ごめんねぇ?」というアイコンタクトを交わしつつひたすら待って、どさっと出てきた前菜の盛り合わせは盛大な量。

久しぶりに行ったらメニューが一新されていて、どれも楽しい。自家製、というソーセージは、とても肉々しくて、ハンバーグ?と思うようなずっしりした重さ。ピザ焼きの窯で焼かれた熱いところを、ナイフで崩すように食べる。


お客さんが引けて、近所の店のシェフも飲みにやってきて、ワインを飲みながら色々話す。店のやり方、というのは本当にその店のオーナー次第で、完璧 主義とか、なんでもアリとか。広げる人もいれば、決まったスタッフを固定で何年も使う人もいる。そこから、店の雰囲気ができあがっていく。店のオペレー ションは、日々不断の努力だから、誤魔化せない。
「でも、結局、店っていうのはお客さんなんですよ」
「客層ってこと?」
「いやいや、店にいつもお客さんが居る、っていうこと自体が大事なんです」

そういえばそうか。

眠い光。。

Photo: Tokyo, Japan, Canon Power Shot G1 2.0-2.5/7-21(34-102)

Photo: Tokyo, Japan, Canon Power Shot G1 2.0-2.5/7-21(34-102)

店の中には、眠い光りがさしていて、静かな声が聞こえてくる。ずっと昔にはじめて来た。そういえばここは、彼女を連れてくるといい、と教わった店だった。


カウンターと、テーブルが数席。小さな黒板にお勧めのグラスワインが幾つか書いてある。シンプルでリーズナブルで、静かな店。この間、久しぶりに よってみると休みだったが、店はまだ続いているようで、少し安心した。特にこの街では、いろんなものが、あっという間に変わってしまう。

あれからずいぶん時間がたって、僕はまだ約束を果てしていなかったことを、思い出す。また立ち寄る日まで、変わらないでいて欲しい。