冷え込んだ月。
某月某日
冷え込んだ月。
冷え込んだ月。
やっぱり、どう意気込んでも、日本には余り馴染んでいないイベント、ハロウィン。
去年、近所の 100円ショップに立ち寄ると、もう数時間でゴミ箱行きになってしまうハロウィンのカボチャ達が寂しそうに並べられていた。
思うに、100円ショップにハロウィンを祝う層は、あまり来店しないのだろう。当初 100円ではなかったカボチャも(300円ぐらいだったのかな)、まるで売れなかったのか、いまや投げ売りでその店の最低の値段、つまり 100円にまで値下げされている。 僕は気まぐれにそのうちの一個を選んで、流し用の排水ネットや、缶詰と一緒にカゴに放り込み、連れて帰った。
それから数カ月、本棚の片隅に転がしたままのジャックランタンは、腐るわけでもなく平然としていた。あるいは、月夜の晩に何かの魔力でも吸い取っていたのかもしれない。
カボチャは年を越し、そして、最後は、ちょっぴり黴びた。写真を撮って、捨てた。
わざわざ沢蟹を飼う人もあまり居ないとは思うが、僕は小さい頃、沢蟹を飼っていた。
家族で海に行った帰り、バケツに入れて連れて帰ってきた一匹の沢蟹。小さな沢蟹は、石と水を入れた洗面器の中で、だいぶながいこと生きた。
何を食べるのかよく分からなかったので、魚屋でアサリを幾つかビニール袋に入れてもらい、それを餌に与えた。両方の鋏を器用に使って殻をこじ開けて 食べた。表情は無いけれど、なんとなく喜んで食べているように見えた。それから、買い物について行くたびに、アサリを分けて貰って、食べさせた。
小さな洗面器から逃げるわけでもなく、薄暗い玄関の片隅で、ブクブク泡を吹いて、まあ可愛かったのだ。
小料理屋の軒先に、ガラスの器に入れられて沢蟹が居た。「新鮮さ」のアピールなんだろうか。そういえば、この間、生きた沢蟹が量り売りで食材としてスーパーで売られていたっけ。(なかなか凄い光景だった)
飼っていたものは食べられないと言うけれど、僕は別に沢蟹の唐揚げが食べられないわけではない。でも、ちょっと、僕にはこの店は無理だな。