香港の朝食と言えば、なんとなく、そりゃお粥だろ、というイメージがあった。だいぶいまいちな(とは言っても、中華圏としてはだいぶクセの無い western style の)ホテルの朝食バイキングをやめて、今朝は外に食べに行く事にした。
そんなに早起きはできないので、朝のラッシュも過ぎた少し遅めの朝。商店が並ぶ通りを、まあ、ここらへんかとたいした当てもなく歩いてみる。なかなか繁盛している弁当屋、あまりにも敷居が高そうな超ローカルな麺物屋などはあるのだが、お粥を食べさせそうな店が無い。
これは、香港の朝食はお粥というのはただのステレオタイプだったのか?と思い始める。あるいは、朝マックのように時間帯限定のメニューだったりするのだろうか。それもあり得る。散々、裏路地の商店をのぞき込んで、「粥」的なメニューのある店を発見。お客も何人か居るし、店の人もフレンドリーっぽくて入りやすそうだ。
少しペタ付く写真付きのメニューを見る。お粥だけ、というのは何故か無くて、焼きそばらきしものがセットになっている。焼きそばとご飯とか、お好み焼きとご飯、というのは大阪国では常食されていると聞くが、お粥と焼きそばというのは、また新たな文化の幅を見る気がする。とりあえずそのセットを頼む。
でかい丼に並々のお粥と、これまたたっぷりした焼きそば。お粥は魚の出汁が利いていて、なかなか美味しい。具は、たまーにほぐれた魚の身が入っている。あと、なぜか麺の切れ端とか。多分、出汁とかが共用なのだろう。焼きそばはソース味と言えなくもない、具はもやしか何かがはいっているのだが、とにかく脂っこいのと、根底に中華風味的クセが横たわっており、とても完食は不可能。いずれにせよ、丼お粥と焼きそばは、朝食としては相当重い。
日本の外で食事をしていつも思うのが、量がたいてい多い、と言う事。ファーストフードのコーラやポテトの量もそうだし、きちんとしたレストランでスープからサラダから、順に食べていたらメインにたどり着く前に満腹だ。中華圏でもそれは同じで、残すのが許容される(気にされない)文化とは言っても、食べきるのが困難な量が常に出る。これが基準だとすると、日本人て、世界で一番小食なんじゃないか、そんな風に思ってしまう。
さて、周りを見回すと、このセットで食べている客は殆ど居ないではないか。皆、熱いチャイのようなものをメインの丼に付けて、それを啜りながら新聞なんかを見ている。よくよくメニューを吟味すると、飲み物セット、のようなものがあるみたいだ。なるほど、朝から焼きそばセットは、やっぱり無いよなぁ。
店内のテレビは何故か、ディズニーチャンネル。ミニーがフフフと笑っている。