その夜の不思議な雰囲気と景色はいささか Ghost in the shell で劇中挿入される大陸的街並みの様相を呈す。やたらに幅のある通りの両側に、演芸場だの、ボーリング場だの、最近見かけない類のビルが並んでいる。どこか レトロなネオンと、ミスマッチにケバケバしい幟。角のローソンの入り口で、泥酔したじいさんが寝ちゃってるし、誰もそれに驚かない。誰々プロデュースの昭 和テイスト、とかいうのではなくて、リアルに声のでかいオバチャンが、のしのし歩いてる感じ。ここには、少し緊張感のあるぬるまったい空気が支配する、ア ジア的の夜の怪しさみたいなものがある。