2024年の記事一覧(全 14件)

旅先で、

Photo: “Bridge and river.” 2020, tokyo, Japan, Apple iPhone XS max.
Photo: “Bridge and river.” 2020, tokyo, Japan, Apple iPhone XS max.

旅先で、地元の人の日常を横から眺めると、ここに生活と人生が流れている感慨がある。ずっと昔から流れていて、自分が立ち去った後も、流れ続けていく。

東京観光に来た人は、遊覧船から僕を眺める。僕が散歩している姿は、東京の水辺の風景の一部だ。そうして、そういう感慨を巡らしながら、僕と僕の周りの風景を見るのだろう。

誰でも自分が物語の主役のつもりだけれど、誰もが脇役でもある。いや、脇役ぐらいが丁度か。

ユニバーサルデザインを無視する世界を良くしたい雑誌Wired

今のWiredは一言で言えば、上流階級の憂鬱みたいなものを書いている雑誌なのだろう。衣食足りて礼節を知る。これは、明日の食事に困っている人が買う雑誌ではない。テックの業界で職に困った人が、買う雑誌でも多分無い。では、いったい誰がこれを買っているのだろうか?ふと、不思議になる。出稿されている広告を見ると、更によく分からなくなる。

でも、我慢して読んだ方が良いとも思っている。放っておくと自分が買わないのは目に見えているので、定期購読にした。今や、Web草創期の皆に平等に知識を、みたいな時代は残念ながらとっくに終わってしまって、啓蒙して世界を前に進めようというよりも、分かっている人達だけで先に行こう、みたいな事になってしまっている。だから、食べにくても、ある程度食べておかないと置いていかれてしまう。

テックが、そういう知識の分断を先鋭化している。そんな分断は、昔からあったのだろうか?Internetがその始まりだったのだろうか。幾多のSFが描いてきたディストピアが、やはり、実現してしまうのだろうか?

沖縄で島と道路を間違える、そして天ぷら屋にたどり着く

Photo: "Sea side tempura shop." 2023. Okinawa, Japan, Fujifilm X-Pro2, Fujifilm M Mount Adaptor + Carl Zeiss Biogon T*2,8/28 ZM
Photo: “Sea side tempura shop.” 2023. Okinawa, Japan, Fujifilm X-Pro2, Fujifilm M Mount Adaptor + Carl Zeiss Biogon T*2,8/28 ZM

今さら、言えないが、多分間違っている。Youtuberが走っていた道路はこんなに広くなかった。中間地点に道の駅なんて無かった。今さら、言えないが。

海中道路に行こう、という話になったときに、僕は、ああYoutubeで見たヤツだと、とっさに思った。海の真ん中を通る道路は、海がとても綺麗で、確か橋を渡った先には有名な天ぷら屋が有るのだ。そんな話をして、それはいい、明日朝一でそこに向かおう、という話になった。
たけちよ倶楽部は、感心するような蘊蓄が沢山あって、法令を遵守する、なぜかずっと見てしまう系のチャンネルだ。)


違う道路の気がするんだよねー、とは言えないまま、ちょうど雲も晴れて皆のテンションは高い。オープンにしたビートルで、この海中道路はとても気持ちが良い。絶対こんな施設無かったと思いつつ、海の駅(海中道路だけに)で大袋に入ったワカメご飯の素も買えて、気分は良い。

島に渡ると、なんか見覚えのあるような外周道路になっている。(考えて見れば、島の周りを道路が通るなんて構造は、皆一緒なのだが)そうなると、反時計回りに島を行けば、名物の天ぷら屋があるのではないか?そんな気になった。よし行こう!という事になってどんどん進むと、ああ、確かに天ぷら屋がある。大人気、という事でも無いがオフシーズンで平日だからこんなものか。


直ぐ近くの海を眺めながら、食事をとれるスペースがたっぷりある。夏場は、きっとここが埋まるのだろう。奥の券売機で食券を買うのだが、注文したいデラックスみたいな盛り合わせは券売機に無くて、金額が揃うように適当に他の券を買って、という事だった。ボタンが足りないわけでも無さそうなのだが、そんなあたりがいかにもで良い。

他に客が居ないこともあって、天ぷらは揚げたてが出てきた。白身の魚、烏賊、もずくが一人1つずつ。それを、卓上の醤油やソースで食べる。フカッとした食感がウスターソースに合う。改めて、専門の店で天ぷらを食べたのは初めてかもしれない。天ぷらと言っても、本土とは違うフリッターに近い衣の、ご飯とおやつの中間みたいな食べものだ。

同行の二人は、帰りがけに塩蔵もずくをキロで買っていた。大将は、塩抜きのための塩(呼び塩?)をくれたり、何を言っているのか、方言がきつすぎていまいち分からなかったのではあるが、良い人である事は間違いない。帰り道にある御嶽の場所を、教えもらった。(仰せの内容はほぼ理解出来ず、だいたいの方角だけをたよりに場所を見つけた)


ところで、後で調べてみると、Youtuberが行っていたのは古宇利島という、北部の方にある離島だった。しかし、島を間違えたのに、都合良く天ぷら屋があった。それは、単なる偶然なのだが。いずれにしても、古宇利島は位置関係から言っても、朝のうちに到達することは無理で、行けたとしても午後の雨の中の訪問になったろう。そう思えば、海中道路の方に行ったのは、運が良かったとも言える。ちなみに、元々の天ぷら屋は、奥武島という南部の方の小さな離島にあり、我々が行ったのとは全然違う店だった。

偶然、みたいなものが、旅をつくる。