村上春樹のデビュー作、「風の歌を聴け」
を、久しぶりに読む。Kindleで、初めて読む。
(前にセールだった時に買っておいたのだ)
驚いたことに、僕は内容をまったく覚えていなかったし、特に後日談は綺麗サッパリ忘れていた。ただ、かつての自分とは、また、全く異なる感じ方をしていることは確かに分かった。
どこが面白いのか、よくわからない凄さ。そしてまた、書き手が若いな、と思ったこともショックだった。文章も年を取るのだ。
自分が思っていたよりも、文章は緻密じゃ無いし、内容もみっしりしていない。全部は書ききれていないが、書かれていない部分の飛躍がやはり凄い。さっぱり分からなくても、これを初めて読んだ時の自分は、やはりその面白さとか凄さを受け取っていたのだろう。
今の自分が感じる事に立脚しろ、と言っていた先生はもう亡くなってしまった。それは今の流行の言葉で言えば、マインドフルネスなのかもしれない。
そういえば、なんとも意識が高くて胡散臭いマインドフルネスだけれど、いろいろ自分にはしっくりくる部分を感じている。今のことだけを見ろ、というのはディー・レディー「あたしの一生」にとっくに書いてあった事なのであって、別に僕にとって目新しいことでは無い。
けれど西欧の知識としての体系化、汎用化、みたいなものの力を見る思いがするし、瞑想アプリはいま一番気に入って使っているものでもあるのだ。