16:9 CCD搭載のLumix LX2を貸してもらった。
最近、きみまろズームで物議をかもしている(というか、あの広告の意味を、ライカのアライアンス担当者は認識しているのだろうか)Lumix。どんなモノか、少し使ってみた。
16:9 CCDは、通常の4:3でも使えるが、やはり16:9モードで使いたい。とはいっても、都合良くどこかに出かけるわけでもないので、晩飯撮り。これは何かというと、揚げたカニですね。フレンチで揚げたカニがあるとは知らなかった。
手ぶれ補正のような近代的な(普段使っているのが、時代に取り残された系のカメラばかりなので)機能が付いたデジカメを使うのは初めてだったが、印象としてはやっぱりブレるものはブレる、という感じ。レリーズが重いので、慣れないとこれも手ぶれの原因になる。ちゃんとホールドして、しっかり撮るのが大事なことは基本として変わらない。
意外だったのは、autoのホワイトバランスがあまり良くないこと。(掲載の写真は後で補正している)これは、日光下での写真でも同じで、色かぶりがある。その他の画の印象は、良くも悪くもニュートラルな感じだった。一言で言うと、NHKみたいな画?だろうか。松下はHDカムも作っているし、16:9だからそんな気がするのかもしれない。
ユーザーインターフェイスは直感的で反応も速く好印象。特に感心したのは、絞り優先AEのモードがあることだ。RAW保存にも対応するし、内容としてはかなり本格的なものだと思う。レンズが沈胴式ではなく、レンズキャップが必要なのは、使い勝手の部分ではかなりのマイナスだ。
意外だったのは、16:9はデジカメの一般的な最多用途(少なくとも僕の周りでは)と思われる飯撮りにとても便利。だいたいお皿を横から撮ることになるので、横長の画面はとても収まりが良い。
年: 2007年
ATOK20(ATOK2007)
ついに、ATOKもバージョン20だ。ここまで一つのソフトを使い続けるというのは凄いことかもしれない。
毎回の感想だけれど、使い勝手はそれ程変わらない。昔からFEPで入力している人間のクセだとは思うが、それ程の長文を一気に変換したりしないで、ほぼ単文節で変換→確定してしまうから、僕の場合には、実は構文解析の能力というのはそれほど問われないという気もする。ただ、なんとなく引っかかってしまう変換の場所というのはあって、ATOKのバージョンが上がるにつれて、そこらへんがどんどん減ってきている気がする。FEPなんて、もうこれ以上進化させるところもないだろうと毎回思うのだが、無駄で無意味な機能を増やすわけでもなく、きちんと改良して出してくるところは凄い。
ある種の節目となるversion 20は、変換エンジンも少し変わったようなのだが、それでもいつものATOKだ。アップグレード優待で、ダウンロード販売を利用すれば、かなり割安で利用することができる。インストールしてみた限りでは、少なくとも、重くなったりはしていないので、ホッとした。version18→verion19の時よりもアップデートは簡単になっているし、設定の引き継ぎも容易になった。FEPの用に毎日利用するものは、セットアップして直ぐに使い始めることができるというのはとても重要なことだ。ちなみに、カレットの近くに表示される変換モードを示すポップアップが、version 20から半透明になっているのだが、これはなかなか見た目が良くて気に入った。
ATOKは色々な機能を持っているのだが、僕の場合あまり高度な機能は使っていない。まずカスタマイズ可能なキーアサインはIMEに揃えている。これは、複数のPCを使うことも多く、操作方法だけはデファクトに合わせていた方が便利だからだ。英数字は半角変換にして、あの忌まわしい全角英数が変換候補にも出ないようにしている。これは精神衛生上とても良い。変換方式は、しゃべり言葉を優先していて、漢字の割合は低めになるようにしている。その方が読みやすいからだ。また、意外と助かるのは、ローマ字変換時の、打ち間違いの自動訂正。多少のタイプミスがあっても、ATOKの方で正しいと思われるタイプに直してくれる。
ATOKを使い始めてから、もう10数年になるので、自分の書き方と機械のクセが一体になっている。基本的にMicrosoft IMEは実行されないようにしてしまうのだが、完全にアンインストールすることが出来ないので、気がつくとFEPがMS IMEになってしまっていることがある。入力していて、「なんかいつもと違う!」と思うとIMEになっていたりする。それだけ、自然になっているのだと思う。
ATOKと紙copiの組み合わせで、軽く文章を書いていくと、なかなか楽しい気分になる。「書ける」という単語を、ちっともちゃんと変換できなかったATOKは、気がつけば、ちゃんと変換できるようになっている。もっとも、それがATOKの幾つのバージョンからできるようになったものなのか、そのあたりはさっぱり分からないのだが。
引っかかりがどれだけ無く入力ができるか。どれだけその存在に気がつかないか。それが、おそらくはFEPの至上命題なのだと思う。であれば、この何が変わったのかよく分からないが、より気配が薄くなった20というバージョンには価値がある。
Nikon SUPER COOLSCAN 5000 ED
Nikon SUPER COOLSCAN 5000 ED (LS5000) は、ニコンの民生用ミドルレンジのフィルムスキャナだ。現行機種の中では、数少ない(というか、民生用としてはほぼ唯一の)フィルム専用機である。 LS5000 の印象を一言で表わすと、とても使い易い今日的なフィルムスキャナ、である。一度セッティングを決めてしまえば、あまり画質のブレがなく、ネガもポジも、 安定したスキャンが可能だ。LED 光源なので、ウォームアップ不要、フィルムローダも安定していて使い易い。
スキャン画質
L5000のスキャン画質は安定しているが、特に感心するのが、ネガカラーフィルムの処理だ。殆どのケースで自然なバランスの画を返してくるし、ネガ独特の甘い感じの色調がよく出ている。
極端な例だが、逆光というか、太陽そのものを入れて撮った場合、露出補正をしても、ラボでの紙焼を見ると、普通背景は(当たり前だが)潰れてしま う。ところが、LS5000 で処理をすると、太陽の光から背景に至るまで、きっちりと再現される。ネガフィルムのラチチュードが高いことを思い知る感じだ。
今まではスキャンが難しいので敬遠していたネガを、積極的に使いたくなる。ちなみに、10年近く経ったネガをスキャンしてみると、メーカーによる違 いがよく出ていて面白い。鮮やかで一番安定した画質なのが富士フイルム。それっぽい濃い色を出してくる Kodak 。今は無き AGFA は粒状感がかなり強い印象。
一方、ポジフィルムについては、MINOLTA で当たったときの絵画のような描写、には至らない。あくまでも、そのまま、やや淡泊に入ってくる感じがある。一見しての印象は、薄いと言える。ただ、色か ぶりも少なく、MINOLTA でどう補正してもうまくスキャンできなかったコマもきちんと画を作ってくるのには感心する。元々のフィルムに忠実であるという点では、全く問題は無い。
フィルムのハンドリング
フィルムスキャナで一番面倒なのは、フィルムのローディングだ。フィルムホルダ方式だと、このセットが驚異的に面倒で、数時間作業していると拷問のように思えてくる。LS5000には、標準でスリーブのオートローダが付いてくる。
付属のスリーブフィルム・オートロードユニットである MA21 はなかなか優秀で、一度に6コマを処理できるので作業効率も高い。フィルムフォルダを使用する方式と異なり、フィルムの水平や、コマ間の位置合わせに神経 を使う必要がないので、作業の負担が少ない。これは、実際にスキャンしてみると思い知る重要な使い勝手だ。(EPSON 製でフラットベッドでまとめてスキャンできる製品もあるが、フィルムの水平をきちんと出したり、表面の埃を除去したりする手間を考えると、ちょっと無理が あるのではないかと思ってしまう。実際の使い勝手は、どうなんだろう)
マニュアルにはパーフォーレーションが損傷しているフィルムは使えない、と書いてあるが、テープで穴がふさがっていたり、端が加工してある(安手の 現像に出したもので、そういう加工が勝手にされているケースがある)ような場合でも、ほぼ問題なくローディングできた。ほぼ、というのは、たまにスキャン エラーが出る場合があるのだ。ただし、単に再スキャンしたり、それでもダメなら逆方向からロードさせてスキャンすれば処理が可能だ。ローダの内部を見てみ ると、スプロケットではなくて、ただのローラーでフィルム送りをしており、パーフォーレーションのコンディションはあまり問題にならないと思われる。
スキャン速度、その他の機能
スキャン速度については特に言うべき事は無い。2ライン CCD によるスキャンは、シングルパスであれば当然結構速い。ただ、そうなるとちょっと欲も出てきて、マルチパスを常用してしまうので、結果としてスキャン速度自体はまあまあだ。
粒状感の低減技術である GEM は画像を加工することになるので、あまり使わないかと思ったが、ネガフィルムに使うとしっとりとしていて、少し甘い感じの味のある画が出て来て良い感じ。 結果として、ネガのスキャンでは GEM を常用している。ポジは元々あまり粒状感が無いので、普段は使用しない。
ところで、この機種はある程度のクラスなので、赤外線を使ったノイズ除去技術 ICE が付いている。材料の関係で、モノクロフィルムに使えないのが残念だが、フィルムスキャンではこの機能はほぼ必須だ。いくら注意して埃を吹き飛ばしても、 小さな繊維などは残ってしまう。この機能が無いスキャナを使って、フィルムを扱おうというのは無理がある。(特に最近の複合機には、フィルムスキャン機能 が付いたものが多いが、これらは実用に耐えないものも多い)
スキャン時のノイズ(ステッピングモーターの音だろうか)は、MINOLTA とあまり変わらない。ただ、筐体そのものの泣きが大きいように思う。音としてはかなり響くし、慣れないと耳障りな音であり、せっかくの上位機種なのだか ら、このあたりの対策までされると嬉しいとは思う。
スキャンソフト
スキャンソフトについては、いささか言いたいこともある。インターフェイスにクセがあるし、この手のソフトの宿命なのか、一日使っていると、数回は落ちる。また、シングルスレッドのアプリケーションのため、最近のマルチコアの恩恵を受けることができない。
まず、操作系から。NikonScan のインターフェイスには直感的とは言えない部分が多々ある。特に、複数コマのスキャンの時の使い方は独特。ユーザー設定として適用しないと、複数コマに対 しての設定が効かない、というロジック気がつくのは難しい。マニュアルを読んでも、このあたりを把握するのは困難で、試行錯誤して覚えなくてはならない。 また、一度保存したパラメータセットを後から修正できない(同じ名前で上書きすることはできる、打ち間違えたらダメ)のは、効率が悪い。とは言っても、 フィルムによってパラメータはかなり変わってくるので、僕の場合は、カラーネガ、カラーネガ逆、モノクロネガ、モノクロネガ逆、カラーポジ、カラーポジ逆 の全パターンをあらかじめ登録している。
スキャナには GEM 等のポストプロダクション機能が備わっているが、実際には NikonScan が処理を行っている。この重い作業を CPU 側でやらせる以上は、是非その部分をマルチスレッド化して欲しかった。このツールが出た時期を考えると、難しかったのかもしれないし、今後、 NikonScan がバージョンアップされるようなことがあるのかは謎だが、、。4,000dpi で GEM をかけると、Intel Core 世代の CPU でもかなりの時間を要するので、本格的に使いたい人は速い PC が必須だ。