言うべき言葉が見つからないときには、黙っていればよい。
年: 2006年
トニー滝谷
僕が持っていない、ほとんど唯一の村上春樹の短編集「レキシントンの幽霊」に収められた、同名の小説の映画。
村上春樹の作品の映画、というだけで引いてしまったが、見てみると、あの文章の雰囲気がとても良く出ていて、うまくつくったなぁという印象。
イッセー尾形も宮沢りえも、全然好きな役者ではないのだけれど、そういうことは感じずに見終わった。役者の個性に頼るのではなくて、きちんと役が作られている。つまり、映画として良くできている。
画作りは、スタイリッシュで、ともすれば退屈になりがちな動きの少ない、画面を、滑らかな横方向へのトラックを良いアクセントにして、うまくまとめている。fixと思わせておいて、カメラは滑らかに、真横にトラックしていく。
音楽は坂本龍一。ピアノオンリーの音楽が、ずっと静かに流れている。
うん、よくできているのだ。
エビ天の缶詰
映画シェルタリング・スカイの冒頭で、主人公が夢の話をする。妻は、
「他人の夢の話は、退屈なだけだからやめて」
と拒絶する。でも、実は彼女は恐れていたのだった、夢が何かの兆候を示すことを。
で、僕が見た「エビ天の缶詰」の夢はいったい何の兆候を示すのだろうか。しかも、缶には「大盛り」と書いてあった。
僕のフェイバレット缶詰と言えば、ポークランチョンミートだな。
写真は、僕が初めて CONTAX で撮ったリールの1枚。