台湾の人形劇団

Photo: 1995. taiwan, CONTAX T2 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/38

Photo: 1995. taiwan, CONTAX T2 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/38

指人形が、人形師の手から飛んだ。少女の視線が釘付けになる。艶やかな衣装を纏った人形達が、名人の手の上で、踊り、歌い、そして空を、飛んだ。

コンマ数秒後、人形は操り手の指に、寸分の狂いもなく戻る。宙を舞う人形に息を飲んだ子供たちから、歓声が上がった。


ここ台湾に於いて、人形劇の芸術としての地位は高い。人形劇専門のテーマパークのような場所があり、そこには大人から子供まで、幅広い層のお客が訪 れる。写真の中で人形を操っているのは、その人形劇公園(?博物館ではない、死んだ文化ではないからだ)の主宰を勤め、そして台湾の人形師の最高峰にある 鍾任壁氏。彼は、かつての国民党総統の前でも演じたという。


鍾さんの演じる人形劇の素晴らしさは、こういったものに全く興味の無いはずの、僕を感動させた。それは、人形師の卓越した技と表現力だけによるので はない。見学に来た子供たちの前で、心から楽しそうに演じる人形師。そして、時には息を飲んだり、歓声を上げたりして喜ぶ子供達。みんな真剣で、そして楽 しそうだった。そして、僕も楽しかった。

そんなことに、心を動かされたのだった。

懐かしい漢字

Photo: 1995. Paris, CONTAX T2 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/38

Photo: 1995. Paris, CONTAX T2 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/38

パリの街角で、懐かしい漢字を発見。おおざっぱにオリエンタル、というくくりで見れば懐かしいだけだが。

パリの街は暗い。

照明が白銀灯ではなく、白熱灯だということもあるが、照明の数自体が少ないようだ。ライトアップがされているのは、セーヌ川の川縁ぐらいのもので、一般的には最小限の照明しかない。だから、路地なんかは結構怖い。

逆に言うと、日本の都心がバカみたいに明るすぎるのかもしれない。でも、台北は日本みたいに明るかったし。アジアは明るいのかな?

こんな看板を撮ったのは、一つには漢字が珍しかったから。もう一つは、ちょっと面白いセンスだと思ったから。洗練されていない洗練具合、みたいなものが、パリのオリエンタルな看板の典型例っぽくて面白かったのだ。

暖かそうな、レストラン

Photo: 1995. Paris, CONTAX T2 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/38

Photo: 1995. Paris, CONTAX T2 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/38

暖かそうな、レストラン。

パリの路地裏で、ひっそり開業中。店の中には、常連らしきお客が数組。この季節のパリのレストランでは、生牡蠣や、その他の生の魚介を饗している。勇気があれば、食べてみても良いかも。

もし、この近所に住んでいたら、行きつけにしたくなるような店。(食べたわけではないので、味はどうか分からないけど)

この店はどうか分からないが、パリの地元の住人が行くようなレストランは確かに安くて美味しい。ただし、ガイジンに対する視線は厳しいし、歓迎されている気はしない。

それでも、1,000円ちょっとでどっさり出てくるエスカルゴ、手ごろ値段のボルドーワインなどは魅力。不愉快な思いをする覚悟で食べに行く価値は あると思う。(きっと、通えば周りも慣れるし、自分も慣れるのだろう)せっかくフランスに行ったのだから、ちゃんと地元の料理を食べるのがいい。マクドナ ルドはやたらに高いし、あるいは、ステーキみたいな外国料理は不味い。

この写真は、僕がパリで撮った中で、一番気に入っていて、実際の景色よりも3倍ぐらい綺麗に撮れている。三脚無し、長時間露光でむりやり撮影。そうしたら、思いがけなく赤い幌が美しく写ってくれた。