LA VACAという牛

Photo: contax T2

Photo: contax T2

表参道あたりを、プラプラ歩いていると、気になるモノが。

わけの分からないモノではあるが、言わんとすることは分かる。
「う、、ウシ?」

そいつらは、数頭の群れになって、ショーケースにうずくまっていた。

背中の微妙なカーブと、一頭毎にまるで違う個性的な模様。つのはピカピカ。いったい何の役に立つのかは分からないが、とにかく「欲しい」。でも、これは売り物?


実はこいつら、ドイツからやってきた家具である。「スツール」というのが、この牛たちのもう一つの存在意義。しかも、「天然の牛の毛皮にまたがることで、リラクゼーション効果が期待できる」という。

LA VACA。そんな名前のこの牛は、ちなみに59,000円。子牛のLA VAQUITAもあって、そちらは39,000円だって。

注1:なんかこの文章、雑誌の商品広告みたい。
注2:買ってませんよ。だって、スツールいらんだろ。

姿ハ似セガタク、意ハ似セ易シ。

姿ハ似セガタク、意ハ似セ易シ。(本居宣長 1730?1801)

コンセプトとか発想を真似るのは簡単だが、姿形を真似るのは難しい。まあ、そんな意味のことだと思う。一瞬、「それって逆じゃないか?」と違和感を覚えるが、よくよく考えると、こっちが正解。

物事の姿形の大切さと、そこに込められた愛おしさ、そんなことを最近よく思う。それがデザインなのであれば、製品の見た目や使い心地。それが文章であれば、バランス感や空気感。

あるいは人であれば、それは佇まい。その笑顔も、その俯いた表情も、あなたにしかできない。例えば、そういうことだ。

注1:もともとは、フォントメーカーとして有名なモリサワの雑誌広告で引用されていた一言。最近、デザイン系の雑誌に興味があるのです。
注2:本居宣長 江戸中期の国学者。国学四大人の一。三十余年を費やして大著「古事記伝」を完成。儒仏を排して古道に帰るべきを説き、また、「もののあはれ」の文学評論を展開した。[株式会社岩波書店 広辞苑第五版より、抜粋]

フルカラー Visor

ハンドル名と、実名と、あだ名の区別がつかなくなっているネットエイジな皆さん、こんにちは、羊ページです。いっそ、メールアドレスに改姓してみてはどうですか?


「羊君!」

と呼ばれて振り向くと、そこには Visor に挿さったデジカメが光っていた。部署のシニアコンサルタントが、わざわざアメリカから取り寄せた Visor &専用デジカメモジュール。フルカラーVisorの液晶には、「へっ?」という顔をした振り向きざまの僕の顔が映し出されていた。

ああ、フルカラー Visor。少し待っていれば、日本でも、日本語版が買えるのに。たった、数週間の先行優位を見せつけるためだけに、わざわざアメリカから買うか。しか も、デジカメモジュール付きで。まあ、そういう「人柱根性」こそが、ハイテク業界をここまで育てたのではあるが。


いや、それにしても何かが違う気がする。「羊君」て。

僕はまさか会社に入ってから、自分があだ名で呼ばれるとは思っていなかったし、ハンドル名で呼ばれることになろうとも思っていなかった。更に言えば、「羊」と呼ばれるとは想像もしていなかった。それで反射的に振り向いた自分も悲しい。

もうすぐ5年目なんですけどね、入社して、、。

注1:シニアコンサルタントというのはコンサルタントの中でも偉めの人、つまりジジイである。
注2:Visor というのは Palm 互換の PDA。背面にスロットが付いていて、いろいろと役に立たないモジュールを挿して遊ぶことが出来る。言うまでもないことだが、カラーである必要は、あまりない。
注3:いつも羊と呼ばれるわけではありませんけどね。