悪いこと相談してんじゃないのか

Photo: 銀杏はデジカメにつらいね 2003. Tokyo, Japan, Sony Cyber-shot U10, 5mm(33mm)/F2.8, JPEG.

Photo: "銀杏はデジカメにつらいね" 2003. Tokyo, Japan, Sony Cyber-shot U10, 5mm(33mm)/F2.8, JPEG.

強い風に吹かれて、落ち葉が降りしきる。

金網の向こうに、電車が走っている。羽を休めていた鳩の群れが、一斉にこちらに向かって飛び立ち、頭上を過ぎてはるか高くに過ぎていく。空も高い。

スーツ姿の男が二人。線路を見つめながら、互いに視線を合わせるでもなく、立っている。

一人が煙草に火を付け、煩わしそうに煙を吐き出す。

「彼も、、そろそろ、、なぁ、、」
「、、ああ」

なんか、凄い密談をしているような感じだな、、。


実際は飯喰って腹一杯なので、腹ごなしにぶらぶらしているだけだが。で、話の内容は、あいつにもそろそろ PSX 買わせるかとか、そういう内容なのだが。伊丹十三か、押井守かというようなそんな絵面で、本当に密談をする人は居るのだろうか。


注:PSXのスペックは見れば見るほど、呪われているとしか思えないのだが、やっぱり売れてしまうんだろうか。

おはようございまーす!

 Photo: 渋谷、看板の張り替え 2003. Tokyo, Japan, Contax Tvs Digital, Carl Zeiss Vario Sonnar T* F2.8-4.8/35mm-105.

Photo: "渋谷、看板の張り替え" 2003. Tokyo, Japan, Contax Tvs Digital, Carl Zeiss Vario Sonnar T* F2.8-4.8/35mm-105.

朝の渋谷を歩く。天気が良い。平日のこの時間に何をするでもなく、カップルがうろうろしている。スクランブル交差点は、通勤する人でいっぱいだ。通勤?いったいどこへ?(答え:デパート)

この街では、ショーウインドウに映ったスーツ姿の自分が滑稽だ。まるで出勤するパチンコ屋の店員みたいだな、と思う。(パチンコ屋の店員はスーツで出勤するのかどうか知らないが)


頭上では巨大な看板に縄ばしごをかけて、ポスターの張り替え作業をしている。漠然と、何か、もっと凄いやり方で張り替えるのかと思っていたのだけれど、そんなベタなやり方で貼るのか。

新しいポスターが貼られ、新しい旗がつけられ、広場の装飾が入れ替わって、次の舞台が整う。この街はいつだってお祭りだから、常に華やかに塗り替えられていく。

得体の知れない汁で汚れた路上に佇む自販機でお茶を買って、飲みながら仕事場に向かう。


ちょっと早かったせいで、スタッフがあまりいない。急ごしらえで作られた「事務局」みたいなところで、「宣伝」と紙の貼られた椅子に、ぼーっと座っていた。

いかにもな「おはようございまーす!」という声にあたりを見回すと、僕しか居ない。そうか、ここはそっち側のルールが支配している場所か。


注:イベントとかコンサートとか、そういう人たちは、現場でなんかよく分からない人にもまず挨拶するというのが基本みたいだ。役割によって、細かく分業さ れているので、沢山の業者がからむことが多く、まともに紹介し合うこともなく現場は進んでいくことが多い。だから、まず挨拶という部分が大事なのだろう。 いくら人数がいても、無理矢理名刺交換から入る文化とは違う。

夕日

Photo: 霞ヶ関官庁街 2003. Tokyo, Japan, Contax Tvs Digital, Carl Zeiss Vario Sonnar T* F2.8-4.8/35mm-105.

Photo: "霞ヶ関官庁街" 2003. Tokyo, Japan, Contax Tvs Digital, Carl Zeiss Vario Sonnar T* F2.8-4.8/35mm-105.

新聞の片隅に出ていた年齢別平均年収のレポートには、ここ何年も上向かない景気を反映して、薄ら寒い数値が載っている。かと思えば、年収 5,000万円以上ターゲットの食品店の記事を、web で読む。メガ・コンペティションの時代のなれの果てが、これだ。

僕はと言えば、今月は仕事量も少なくて、あんまり実入りが良くないし、業界自体がレイオフの嵐で、どだい気分が良くない。なにもかもが不確実で、あらゆる局面でリスクをとるしかやりようのない時代だけど、本当に見返りはあるんだろうか?


霞ヶ関の官庁街を歩いていると、この国が貧しくなってるなんて思えないような、普通に豊かな景色。眩暈のするような夕日が差す国道を、無表情に歩く 人たちが居る。僕が日差しに立ち止まると、人の流れは、僕をよけ、どこかへ向かって動いていく。少しして、僕も彼らと同じ方に歩いていく。