スコール

Photo: 1998. Saipan, CONTAX T2 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/38

Photo: 1998. Saipan, CONTAX T2 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/38

遙か水平線、海面と雲の間で煙のように見えているのは、南国特有の激しい通り雨、スコールだ。降り注ぐ雨が、海と空を繋ぐ柱のように見える。

サイパンの雲は、動きが速い。

それもそのはず、このあたり海は、台風や低気圧の生まれ故郷なのだ。海から雲が生まれ、陸地に雨を降らせる。そういう自然の動きを、肌で感じることができる。それも、ただ砂浜に座って、海を眺めているだけで、、。


サイパン滞在中は、よい天気の日が多かった。しかし、一日中、カラッと晴れていたわけではなくて、空の表情は刻々と変化した。

頭の上では、始終モクモクでかい雲が動いていて、強い日差しが肌を射たかと思うと、たまにすさまじいスコールを降らせていた。

空、海、椰子

Photo: 1998. Saipan, CONTAX T2 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/38

Photo: 1998. Saipan, CONTAX T2 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/38

空、海、椰子。

恥ずかしいぐらいリゾートな感じのする写真が撮れてしまった。

サイパンは、本気でこういう椰子の木が生えていて、アホみたいに空と海が蒼い、まさにリゾートなのだ。もともと小さい島だけに、ろくな観光スポット はない。ショッピングといっても、島に1つだけあるDFS(免税店)と、その周りのブティック街ぐらいしか、めぼしい所はない。


ひたすら広がる海を見に行きたい、何もしたくない、そいういう人にはとても良い。椰子の木の向こう側、藁葺きの日除けがたっているのが見える。この下に茣蓙でもひいて、寝転んでいればいい。

しかし、こうしたリゾート地で注意しなければならない点が一つだけある。ビーチというのは、一般的にホテルの管理下には無いため、妙な客引きや、売 り子が、しょっちゅうアタックしてくるのだ。追っ払えばいいだけの話しだが、海外のリゾート地に来てまで日本語で勧誘されるのはかなり不愉快。

僕のお勧めとしては、思いっきり良いホテルに泊まって、ホテルのプールで過ごすこと。安全で、衛生的で、快適だ。ガードマンに守られた敷地で日光浴、というのも、いかにも資本主義っぽいけど、、。

サイパンに行くべし

Photo: 1998. Saipan, CONTAX T2 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/38

Photo: 1998. Saipan, CONTAX T2 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/38

とにかく、何にも考えないで、南国の日差しに照らされながら、水にでも浮いていたい。そう思って、旅行代理店の担当者に、「すいません、水と、太陽があって、あったかいところに行きたいんですけど」と言った。すると、「サイパンに行くべし」との回答。

サイパン島。

太陽が海に沈む時間。空気がよいせいか、あるいは、赤道に近いせいか、いわゆる「夕焼け」という色にはならない。空が飴色に色づくと、すぐに夕闇が押し寄せてくる。

風が少し冷たくなるこの時間、浜辺の人影は極端に減る。嬌声が途絶え、波の音だけが聞こえる、静かな砂浜。しばらくすると、海沿いのホテルの庭でディナーショーが始まってしまい、うるさくなるのだが。