春独活とトマトのサラダ

Photo: Mar., 2002. Nagano, Japan, CONTAX T3 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/35, Knodak Ektachrome DYNA 400, F.S.2,

Photo: Mar., 2002. Nagano, Japan, CONTAX T3 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/35, Knodak Ektachrome DYNA 400, F.S.2,

土曜日、久しぶりに早起きしてテレビを眺めていたら、「ぶらり途中下車の旅」が。レポーターは阿藤快、路線は中央線。この組み合わせ、まさにぶらりの王道。僕は、こういうなんだか意味のわからない番組が、大好きだ。

番組の最後に、立川の独活畑が紹介される。独活は、2月から 3月にかけて収穫の最盛期を迎える、初春の野菜だ。


スキー場帰りに寄った山裾のレストラン。独活の短冊をあしらったサラダからは、瑞々しい春の香気が立ち上る。

美しく輝く虹鱒の燻製、じくじくと肉汁が滲む手作りのソーセージ。すっきりとしたグロールシュのビールもうまい。

腹いっぱいで、眠くなって、春が来た。


注1:うど【独活】ウコギ科の多年草。山地に自生。茎の高さ約 2メートル。葉は大形羽状複葉。夏、茎頭・葉腋に小白花が球状の花序をなして群がり開く。軟白栽培の若芽は食用とし、柔らかく芳香がある。根は生薬の独活 (どつかつ)で、発汗・解熱剤。季語:春[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]
注2:阿藤快、2001年に阿藤海から改名。56才、マジかよ!?

ビールにテキーラ

Photo: 2002. Tokyo, Japan, Canon Power Shot G1 2.0-2.5/7-21(34-102), JPEG.

Photo: 2002. Tokyo, Japan, Canon Power Shot G1 2.0-2.5/7-21(34-102), JPEG.

「君たちと一緒に飲もうと思って、買ってきた」

3人で炬燵を囲む。沖縄硝子のジョッキが揃いで 3つ。飴色の胴体と、碧色の把手が解け合った、不思議な姿。冷えたビールを注ぐと、生き物のように輝く。碧色の把手が、砂漠に立つサボテンみたい。僕は、ふと、そんな事を思う。


ビールにテキーラを入れるのは、友達が 神戸のバーテン に教わった方法だと言う。ビールの苦みが不思議と消え、竜舌蘭の甘い匂いが心地よい。テキーラに限らず、ジンでもラムでも、好きな蒸留酒を入れると、ビール嫌いにも美味しく飲めるらしい。

「眠れないときに、いい」

でも、その時僕はとても眠くて、ジョッキを干した後、あっという間に寝てしまった。夜明けまで頑張るつもりらしい 2人の話し声が、やがて遠のき、そして何も分からなくなった。


追伸:目覚めは、完徹した友達が弾く、エレキギターの音でした。


注1:竜舌蘭はテキーラの主原料。本当にその匂いか?と聞かれると自信ないが、まあ、雰囲気。
注2:こ‐たつ【炬燵・火燵】床ゆかをきって炉を設け、上にやぐらを置き、蒲団(ふとん)をかけて暖をとるもの。また、床を切らずにやぐらの中に火を入れた置き炬燵もある。季語:冬。「電気―」[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]

アクセシビリティー

Photo: 1998. Saipan, CONTAX T2 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/38

Photo: 1998. Saipan, CONTAX T2 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/38

前回の今日の一言では、「いろんな人が、いろんなブラウザで見られるページをつくってはいかがか」ということを書いた。じゃあ、具体的にはどうやるのだ、というのが今回の話。


とりあえず、簡単に自分のページのアクセシビリティーを測るには、出来合いの文法チェッカを使うのが良いだろう。例えば、Another HTML-lint を使えば、自分のページが、どの程度 W3C, WAI その他の勧告に準拠しているのかが分かる。

実は、最初に羊ページを採点させてみたら、エラーが 200ヶ所・得点 -300点と、惨憺たる結果。「HTML 洗って出直してこい!」ぐらいの勢いだ。抱いた感想は、「こんな机上の空論みたいな、アホ規格に準拠させたって仕方ないだろ。ブラウザ上では、今のコードでちゃんと見えてるのに、なんでこんなに点が悪いんだボケェ!」

でも、冷静に考えてみれば、当のブラウザは「机上の空論みたいな、アホ規格」の方に準拠しているのであって、間違っても僕に準拠しているわけではな い。僕が適当に書き上げたコードがきちんと表示されているのは、むしろ、たまたまという割合が高いのである。で、山ほどあるエラーを、一つ一つ潰していくと、確かに綺麗なコードになるし、互換性も(いくつかの例外を除けば)落ちない。前述の Another HTML-lint を運営する石野さんが FAQ で書かれている「文法よりも、内容が大事なことは明々白々ですが、文法を正したからといって、内容が損なわれることはありません。*1」というのは、まさ しくその通りだと思う。

ということで、最近、徐々に羊ページを書き直し中だ。羊ページは、フレームのタグも無い頃からつくってきたので、未だあちこちに(文字通り)前世紀 の遺物と言うべきコードが残っている。今となっては誰も使っていない Netscape Navigator 1.0 用のコードとか。


さて、文法のチェックというのは、あくまで HTML の話で、サイトのデザインとなると、これは何かで自動的に判断するというのは難しい。むしろ、余計なお世話と言っても良い。文字のポイント数の固定程度の ことは、ちゃんと文法チェッカがひっかけてくれるので良いのだが、サイトの構造とか、配色とか、そういう部分はやはり個人の主観が大きいし、むしろそこは 各自が「勝手にやる」べきだろう。それに、サイトというのは、割と最初の頃はいろいろ豪華絢爛にやってみたりもするものの、やがて枯れてきたりもする生き物なので、一概に「こうあるべき」なんて事は言いようがない。

ただ、絶えず自分なりに改良していくことで、なんとなく自分のスタイルにあった、なおかつ、訪問者のことにも気を配ったものが、作れるようになって くる気はする。最近ではホームページのトップに「ようこそ」と書くのはなんとなく恥ずかしい感じではあるのだが、そういう「もてなす感覚」みたいなもの が、今はむしろ必要なんじゃないかと思う。


最後に、右上の写真は、サイパンの日本人向けラーメン屋。いくら「もてなし」と言っても、ここまでユーザーフレンドリーだとかえって嫌だろ、という例。立っている男は紛れ込んで写った現地ガイドで、作者ではない。なんとなく載せた写真なので、特に意味は無い。「やしがに」が入荷しているらしい。


*1:引用 [Another HTML-lint][FAQ], 石野 恵一郎, Jun 06 1999
注1:机上の空論みたいな、アホ規格:真に受けないように。
注2:「コード」というほどのモノか、という気もするが、「タグ」でもないよなぁと思う。
注3:チェックとか一切してないのですが、トップに「ようこそ」って書いている方、ごめんなさい。
注4:もて‐な・す【持て成す】#3 歓待する。ご馳走する。平家物語11「御前へ召されまゐらせて、御引出物をたまはつて―・され給ひしありさま」。「心づくしの料理で―・す」[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]