Mr. エンゾ

Photo:2001. Yakushima, Japan, CONTAX T3 Carl Zeiss Sonnar T* 2.8/35, Fuji-Film RHP III

Photo:2001. Yakushima, Japan, CONTAX T3 Carl Zeiss Sonnar T* 2.8/35, Fuji-Film RHP III

いつのまにか、男が僕の横に立ち、水面を見つめていた。

一呼吸おいて、彼は、滝つぼに飛び込んでいった


男が消えた水面は鮮やかな緑色で、無数のトンボが落ちつかなげに舞っていた。大川の滝が、その上に膨大な量の水を注いでいる。

しばらく見ていると、彼は浮かび上がり、悠然と下流の方に泳いでいく。

そういえば、僕の傍らに立ったとき、彼の髪からは水滴が落ち、水の匂いがした。


屋久島南東部に位置する大川の滝は、落差・水量ともに九州地方でも最大級の滝である。屋久島には 200以上の滝があると言われているが、これだけの大きさで、滝つぼまで近づく事ができるものは少ない。

そして、僕の傍らからいきなり飛び込んだ、Mr. エンゾ。(それっぽかった)

クワガタ登場

朝起きると、部屋の壁にクワガタがたかっていた。

なんだか、ひどく薄汚れて埃まみれになっていたが、たしかにクワガタで、しっかり壁にしがみついていた。山の中というわけでもないのに、なぜクワガタが。どこかの家で飼われていたのが、逃げ出してきたのだろうか。


とりあえず、暑い中を壁に張り付いていたのだから、なにか食わせてやるべきだろう。キュウリ?スイカ?あいにく、冷蔵庫にそういったものはない。調べてみると、クワガタの食料はヨーグルトや腐ったバナナでもいいらしい。

クワガタを苺の入っていたパックに移して、ヨーグルトを一塊置いてみる。最初は戸惑っていたようだが、そのうち、乳清のあたりを飲み始めた。気に入ったかどうかは分からないが、まあ食えるらしい。ついでに、ティッシュの空き箱を加工して屋根をつけ、日陰をつくっておいた。夜行性だから、このほう が、落ち着くはずだ。


さっき見たら、日陰に移動してくつろいでいた。少し、元気になったようだ。

就職活動のありがちな勘違い

就職活動の季節だ。

街に、それっぽい人たちがあふれている。自分のキャリアを決める重要な時期だけに、学生の皆さんはしっかりと企業を選び、最後まで頑張って欲しい。 ちなみに、羊ページ管理者は学生だった頃、就職説明会参加申し込みの葉書を書くのが面倒で、ホームページからの申し込みができる企業しか受けなかったが。


ところで、外資系の会社に勤めていると、ありがちな勘違いをしている学生にでくわすことがある。曰く、
「海外で働きたいから、外資系の会社を志望しています」

はっきり言って、それは違います。ちょっと考えれば分かるが、海外の企業が、日本で事業を行うためにつくったのが、いわゆる外資系。だから、外資系の主なビジネスの場は、海外ではなくて、むしろ日本なのである。

外資の大半は、日本の顧客に対して商品なり、サービスなりを提供して飯を食っている。したがって、とにかく海外で働きたい、というならむしろ日本企 業に就職するべきだろう。製造業の海外工場とか、商社の海外代理店とか、門は狭いかもしれないが、ちゃんと海外で働くことができる、、かもしれない。

もっとも、単に海外で働きたいなんていう志望動機自体、どうなんだ、という話はあるが。

注1:日系か外資か、就職の際の最大の選択基準は、どっちの文化が自分に合いそうか、っていうことだと思います。あるいは、どっちの文化に染まりたいか、ということでもあります。これは、純粋に好みの問題。
注2:別に外資系は海外勤務できない、というわけでもないです。ケースバイケースでしょう。