崎陽軒のいかシウマイ

Photo: いかシウマイ 2003. Tokyo, Japan, Sony Cyber-shot U10, 5mm(33mm)/F2.8, JPEG.

Photo: "いかシウマイ" 2003. Tokyo, Japan, Sony Cyber-shot U10, 5mm(33mm)/F2.8, JPEG.

何度も書いているが、僕は崎陽軒シウマイを愛している。

家に買って帰って晩飯のおかずにしてもいいし、駅弁(シウマイ弁当!)を新幹線で食べるのも良い。また、一日たったのを焼いてもいい。崎陽軒のシウマイは、昔からおんなじ味だ。


いつものように、駅の崎陽軒で弁当を買おうとすると、、。
「いかシウマイ」

そのフォント、緑っぽいイカ三杯の絵、これは何かの「ネタ」ですか。しかも、なんか凄く高い(6個で550円。普通のシウマイは、15個で510円だ)率直に言って、「崎陽軒がつくるとは思えない」感じの商品だ。
で、あれば、買わねばなるまい。
「すいません、いかシウマイください」

いかシウマイは、ホシザキの業務用冷蔵庫に大切に保管されている。そして、銀色の保冷バッグに保冷剤付で渡される。なんとなく、宇宙から来た物体X みたいな、(ちょっと恥ずかしい)サイバーなビジュアルで手渡される。いかシウマイは温度が大事、冷えたところを、山葵醤油でいただくという趣向なのだ。 だから、保冷庫のある店舗でしか買えないし、通販も出来ない。まさに限定の味だ。


さて、新幹線に乗ったところで食べてみましょう。さっき「高い」と書いてしまったが、包装の手間や、1つ1つがでかいこと、また、明らかに手作りしてそうな手間のかかった感じを見るに、意外と割安かも、と思う。

食感は、実に滑らかで、(想像しにくいかもしれないが)烏賊の喉越しと風味が涼やかだ。はっきり言って、凄くちゃんとつくってある。いくらでも安易 につくれてしまいそうなものを(切った烏賊を適当に丸めて、蒸せば、なんとなく烏賊のシウマイみたいなものはできるわけで)、ここまで完成度高くつくると は、さすが崎陽軒。

矢のようにすぎていく小田原あたりの景色を眺めながら、「恐るべし、崎陽軒、、」と感心することしきり。


注1:いかシウマイは、夏季限定商品。今年の販売は、9月30日まで、ショップに急げ!
注2:残念ながら、あまり馬鹿売れしているようには見えなかった。でも、これは美味しいと思うのだが。

ライブステージ

その日、僕はとあるライブステージの袖で、スタッフの 1人として立っていた。昨日は、夜中まで設営とリハーサルにつきあっていたので、少し眠い。

ライブは、本番のステージが始まるまでに、裏方の仕事の多くが終わっている。前日の設営に始まり、莫大な量の機材とそのオペレーションはテストさ れ、リハーサルされ、再調整され、再テストされる。あとは本番で、段取りの通りに、間違いなく、コトを進めるだけ。100人近いスタッフの仕事が、観衆の 前でアーティストにきちんとパフォーマンスをさせる、ただそのためだけに注がれている。


実際のステージというのは、僕にとって初めての経験だった。いつかこんな日が来るかな?とは思っていたけれど、こんなに直ぐに実現するとは思わな かった。現場では最初、空気に圧倒される。まず、どこに立っていれば良いのか、あるいは座っていればよいのか、分からない。業界が違いすぎて、空気が全然 読めない。新人の頃みたいに、所在なく立ちつくすしかない。違う世界の、プロの現場。謙虚さと、臆病さの一線はなかなか見えない。そして、僕たちはお客さ んではなく、ある種の領域のプロとして呼ばれている。

自分達の受けもつ部分に、少しトラブルがあった。お願いして用意してもらった機器がうまく動いていない。しかし、トラブルが僕たちを落ち着かせ、いつもの自分達の仕事をすることを思い出させる。


徐々に埋まっていく客席を映すモニターを眺めながら、本番をじりじりと待つ。本当にいろんな世界があるんだなと思う。現場にどんな服を着てくればい いのか、それからして分からなかった。黒っぽい格好かな?と思ったら、だいたい合っていた。周りのブースの人たちは、じっと始まりを待っている。時間の経 つのが、遅い。

袖から見ると、ステージの上には、ものすごい光量のライトが降り注いでいる。暗闇から見ていると、ステージに踏み出すアーティストは、文字通り、光の中に歩いていく。

みんな、これを目指す。そういう気持ちが、少し分かるような気がした。当たり前の事だが、コンサートではアーティストが全てだ。アーティストのため に、100人からのスタッフが働く。そして、その何倍ものファンがたった一人の人間を見に来る。そんなことは、普通の世界では考えられない。


コンサートの始まりを告げる MC が流れ、僕たちの直ぐ横に立っていたアーティストが、ステージの光の中に手を振りながら出ていく。モニターに目を走らせて処理が正常に動いているのを確認し、舞台に視線を戻すとドッと観客が立ち上がるのがよく見えた。
「立ちましたねぇ!」

誰かが、低く叫んだ。


注:芸人でも歌手でも、スターでも大将でもなく、「アーティスト」と呼ぶらしい。

ラーメン、ラーメン、ラーメン

Photo: スープ、麺、チャーシュー、ネギ 2003. Tokyo, Japan, Sony Cyber-shot U10, 5mm(33mm)/F2.8, JPEG.

Photo: "スープ、麺、チャーシュー、ネギ" 2003. Tokyo, Japan, Sony Cyber-shot U10, 5mm(33mm)/F2.8, JPEG.

ラーメン、ラーメン、ラーメンと、うるさいんじゃ。

ブームはいいが、そんなにラーメンって食べるかぁ。僕もラーメンは好きだが、それは主に、テレビでラーメンの番組を見るのが好きなのであって、実際 あんまり食べない。テレビでラーメンを見ていたって、別に何の収穫もないのだが、その無駄さがなんとも良い。実際食べると、意外としつこかったり、熱くて 喰えなかったり、テレビで見てる方がずっといい。

もっと言えば、どんなラーメンが旨いのか、そして、どんなラーメンが旨くないのか、それがまず、よく分からない。ウドンとか蕎麦とかならまだなんと なく、基準が分かる気がするのだがラーメンは分からない。好みは人それぞれと言うが、そういう意味では、近所の駅前の中華料理屋でフツーに出てきた醤油 ラーメンが一番美味かった。(もう閉店してしまった、、)


で、博多にいるわけで、せっかくだから長浜ラーメンを食べている。ツルツル。
「見た目よりあっさりしてますねぇ?」

というグルメ番組の禁じ手的感想。いや、ホントにあっさりしている。具とかもあっさりだ。東京で食べるトンコツラーメンって、なんであんなに過剰に脂が入っているのか。


注:餃子とかを頼ませようとする店員に、ちょっと引いた。