電球

色温度の話をしていると、タングステン光という用語がよく出てくる。何がタングステンなんだろうと言えば、いわゆる白熱灯のフィラメントがタングステンで出来ているんだという。

1300℃という温度に耐え、燃え尽きない唯一の金属がタングステン。電球の発明から 130年を経た今でも、その基本的な構造と原理は変わっていないそうだ。ちなみに、電球って凄く単純なように見えるのだけれど、アレを大量生産でつくらないとなると、1個で数千円は下らないものになるらしい。

部屋に新しく照明を買って(安かった)、中身を最初は電球色のボール蛍光灯にしたのだけれど、やっぱり明るすぎるので、結局20Wの電球を買ってきた。古風なボール紙に包まれた電球は、えらく安い値段だった。

国によっては、効率の悪い電球を規制しようというところもあるらしい。当たり前のことが、凄い速度で、当たり前でなくなっていく。そういう世の中の流れか。

イタメシヤのイカメシ

Photo: イカメシ 2008. Tokyo, Ricoh GR DIGITAL, GR LENS F2.4/28.

Photo: "イカメシ" 2008. Tokyo, Ricoh GR DIGITAL, GR LENS F2.4/28.

近所のイタメシヤからイカメシが出来たぞというメールが来る。イカメシ?


そして出てきた。イカメシ、、だな。ただし、中身はリゾットなので、あくまでイタリア料理の一線は守っているという主張。

プロの料理人と素人の違いは、材料の組み合わせから出来上がって来るであろう味を、事前にイメージする能力にある。だから、この物体も、ちゃんとイタリア料理の範疇に入った味になっている。

しかし、まぁ、なんというか何を食べてるのかよく分からない料理ではある。目で見て、こういう味だろうという強い印象を得て、そこから実態があまりにも遠いと、脳みそが付いてこないのがよく分かる。見た目と味のリンクというのは、結構重要なんだな。うまいけど。

ちなみに作成者のコメントは、「二度と作らねぇ」だった。(かなりめんどくさいみたい)

ところで、このイカはどこか間違っている。分かるでしょうか。

発酵食品の賞味期限

Photo: 泡盛 2007. Tokyo, Ricoh GR DIGITAL, GR LENS F2.4/28.

Photo: “泡盛” 2007. Tokyo, Ricoh GR DIGITAL, GR LENS F2.4/28.

「これ、カビてますよね。この香りは、カビですねぇ。」

一口の泡盛を飲み下したソムリエの顔は、引きつっているんだか、おもしろがっているのか、ちょっと微妙なところだった。プロが言うんだから、本当にカビなのかもしれない。イタリア料理店に泡盛を持ち込むのはどうかと思うが、まあ、面白いから良いか。


この泡盛、味が何だかおかしい。クセがある、という次元を超えた臭い。カビだという人も居る。古民家という人も居る。風呂の残り湯という人も居る。しかし、その何だかおかしい感じが気になって、4合ビンを買ってしまった。

泡盛の専門書に載っている蒸留所の写真を見ると、発酵槽の上に怪しげな竹の簾で覆いがされている。これか?これが臭いの原因か?まあ、とにかく忘れがたい味なのだ。いずれにしても。

この泡盛に対抗して店から出てきたのは、(「ピッタリのをお出しします」と自信ありげだった)賞味期限を危険なほどに無視して熟成させたチーズ。これはこれで、腐った野菜桶に頭を突っ込んだような香りと、過剰なまでのコク。

「発酵ものの賞味期限なんて、有ってないようなもんですからね」

という力強いコメント。そうね、熟成なのか腐敗なのかなんて、そんなのは思い一つね。