ここ最近は、あまりにも暑くて、女子の差している日傘でも借りたいぐらいだ。というか、借りてみると、実際涼しいね、これ。
そんなことをやっていると、実は最近、メンズ日傘というジャンルが出来つつあるらしい。そうはいっても、例えば昼の銀座界隈をみてもなかなかメンズ日傘にはお目にかかれない。
ファッションのエッジと、やっちゃってるの境目は限りなくグレーだ。メンズ日傘が市民権を得るクリティカルマスは、未だ来ないのだろうか。
と、先日、この暑さにウンザリして、ちょっと有名な冷やしゴボウ天蕎麦でも食べに行こうかとかんかん照りの坂を下っていると、ついにメンズ日傘のリアルなサンプルに遭遇したのだ。
「あれ、間違いないですよね」
うん、確かにあれはメンズ日傘。色はブルー。しかも会社ロゴ入り、さらにオッサン二人で相合い傘である。しかし、その表情には何のてらいも感じられ ない。同僚は携帯を片手に、証拠写真を激写すべく、不審に後を付けた。が、果たせず戻ってきた。そうか、やはり密かにメンズ日傘は浸透していたのだ。
そうして後日、長い橋を渡っていた僕の眼前に、突然、堂々と日傘、というか雨傘をさして歩くオッサンを発見したのだった。つまりこれは、レディースの日傘の次のステージであるところの、雨傘を平気で日傘として使用するオバチャン、というより高度な事象だと言える。
流行るどころが、日傘のなれの果てである、雨傘の日傘的利用にまで、世間は進んでいた。ここ数年の猛暑の夏が、あっという間に、日本の夏からネクタイを駆逐したように、その進化は意外と速い。
この分なら、オッサンが UV アームカバーをする日も、近いな。