「芸術は頭の鎮静剤だよワトソン君」
と、ジェレミーブレット演ずるシャーロック・ホームズが言っていたことは、多分あたっている。
オランダに出張した友達から、ずっと前にもらったゴッホの画集。それは、ちゃんと現地のゴッホ美術館で買ってきてくれたものだ。
僕が色んな事に悩んでいた頃に、貰ったように記憶している。
画集は、今は実家に置いてある。
実家に戻って、その画集の背表紙を見る度に、それをわざわざ買ってきてくれた友人の気持ちに触れる。そういう贈り物が、自分も出来たらいいなと思う。
写真と紀行文
「芸術は頭の鎮静剤だよワトソン君」
と、ジェレミーブレット演ずるシャーロック・ホームズが言っていたことは、多分あたっている。
オランダに出張した友達から、ずっと前にもらったゴッホの画集。それは、ちゃんと現地のゴッホ美術館で買ってきてくれたものだ。
僕が色んな事に悩んでいた頃に、貰ったように記憶している。
画集は、今は実家に置いてある。
実家に戻って、その画集の背表紙を見る度に、それをわざわざ買ってきてくれた友人の気持ちに触れる。そういう贈り物が、自分も出来たらいいなと思う。
突然の雨に降られて、狭い飲み屋街の路地を早足で歩く。
ウサが梅花をもって、ちょこんと座っていた。
そのウサからさほど遠くない所で、ちょっと良さそうな居酒屋を見つけた。
雨に冷えた体を燗酒で温め、白魚の天ぷらを少し食べる。
今年ほど、春が待ち遠しいこともない。
枯れ葉の上の歩き、どんぐりをつつき、まだ芽を出さない枝を眺める。
あまり見るものがないなぁと、ずっと奥まで歩いて行くと、梅林だけが華やかだ。
湿った曇天に、揮発する梅の花の匂いが立ちこめている。春はここから来るのか。
切り倒された古い切り株の洞をのぞき込むと、そこにもちゃんと春が来ていたよ。