黒澤明監督の映画「乱」をたまに見る。全部は見ない。城攻めのシーンだけを見る。
この映画は、紛れもなく、エンターテインメントだ。でも、ホンモノだ。
格調高いというのではなくて、ホンモノ、なのだ。色が。流れる血は、ヨーロッパ中世の食人画のような赤。夜の闇を横たえたような、土の黒。
文化の重さ、というか、一朝一夕にはできんな、これは、という画が続く約 15分。
世界のどこの文化でもない、日本の文化、が生んだ映画だと思う。
黒澤が言っていたことに、とにかく本(脚本)を書かないとためだ、ということがある。映画をつくりたい、というのに、最初からたいそうな設備もス タッフもいらない。わら半紙と鉛筆があれば、本は書ける。それをやらないとだめだ、と言う。確かに。しかし、それが出来る人間は、そうは居ないのだと思 う。
entertainment: 2a 楽しい気晴らし(を与える[得る]こと), 慰み, 娯楽; 《劇場・サーカスなどでの》見世物, 催し物, 興行もの, 余興, 演芸.[株式会社研究社 リーダーズ英和辞典第2版]