Sony Ericsson premini – SO213i。i-mode PDC 世界最小。また、SONY か。使うために習熟しないといけない機械。はっきり言ってあんまり便利でない機械。使い始めて 2ヶ月ぐらいたって、ようやく慣れてきて、集中しなくても操作できるようになってきた。最初は、電話に出ようとして間違ってよく切った。
モノとして見たとき、金属の触感は悪くない。でもそのつるりとした表面と掴みきれないサイズは、手から滑り落ちそうな気がする。エレベーターに乗る ときに、あの、箱の隙間。あの漆黒の隙間に落としそうな気がしてしまう。それ以外は(いや、ホントに落ちそうな大きさなんだ)、まあ使える。メールも短い ものなら打てる。(ただし、もし恋人とのメールのやりとりにと考えているなら、この携帯はお勧めしない)でも、やっぱりなんか距離感が縮まない携帯だな。
NFOBAR を褒めていた、ある工業デザイナーの人に「これ、どう思いますか?」と聞いてみた。
「良くできてる、でも、遊びがないんです」
確かに、この機械は理詰めで作っている、キーの傾斜から DSP のチューニングに至るまで、「こうあれ」みたいな感じでつくってある。このゆとりのなさ加減。だから、居心地はそんなに良くない。まあ個人的には受け入れ られる範囲だが、ダメな人も多いと思う。一緒に使っている A1402S は同じソニエリだが、これとはずいぶんと路線が違う。A1402S は、バランスよく切り捨てた携帯だが、premini はまあ、通話できりゃいいや、ぐらいの勢いで削っている。確かに随所に工夫がしてあるのだが、それは使いやすさのためというより、そういう工夫をしないと この大きさでは使えない、という世界だ。
この携帯、一言で言うなら疲れる携帯。目が疲れるとか(確かに見にくいが)、そういうんではなくて、「こう使え!」というメッセージが滲んでいるか らなのだろう。でも逆にその主張は強く明確で、もしかしたら 10年後にも人々の記憶に残る製品なのかもしれない。あるいはその核たる部分が、デザイナーの思いこみや傲慢だったとしても、これだけ尖ったものをカタチ にするのは良いことなのだと思う。