夏の終わりの京都というのは、観光客はいない、祭りはない、やたらに暑いという、まあ普通なら誰も寄り付かない場所だ。ということを、現地に行ってから知った。
それならばということで、季節に関係ない所に行ってみた。それは、市立植物園の温室。
温室は広く、気候帯ごとに、いくつもの部屋に分かれている。蘭とか睡蓮とか一般的な(?)ものから、バナナ・胡椒のような生えている所を滅多に見られないもの、そして、なにがなんだかさっぱり分からないものまで、いろんな植物が所狭しと植えられている。
そんな花たちを、汗だくになりながら(温室なので、高温多湿なのだ)撮っていると、なんだか似たようなことをしている奴らが沢山居る。花を撮りに来 た、年配のおじちゃん・おばちゃん達だ。奴らは、キヤノンとか、ニコンとかの一眼レフを携え、平日の朝っぱらから蘭とか、サボテンとかを撮っている。それ も、一人や二人ではない。僕は期せずして、観光シーズンをはずした京都にあって、もっともカメラを手にした人間が多い場所に来てしまった。
大自然の中で植物を撮ったりする方が、たぶん格好良いのだが、天気に左右されたり、金と体力がかかったり、そもそも花が見つからなかったり、いろい ろ大変。その点、植物園なら撮ってくださいと言わんばかりに花々が並んでいるのだから、これほど都合のよいものはない。ここでは、適当にシャッターを切れ ば、なにかしら撮れる。
ということで、てきとうに撮った中で一番、妙な形をしていた何かの「実」です。(花じゃないのかよ、、)