赤貝

Photo: 赤貝 Tokyo, 2004. Contax Tvs Digital, Carl Zeiss Vario Sonnar T* F2.8-4.8/35mm-105.

Photo: "赤貝" Tokyo, 2004. Contax Tvs Digital, Carl Zeiss Vario Sonnar T* F2.8-4.8/35mm-105.

好きなモノを並べる。

幸せ。


注:全部一人で喰ったわけではない。

Photo: 鮨盛り 2004. Contax Tvs Digital, Carl Zeiss Vario Sonnar T* F2.8-4.8/35mm-105.

Photo: "鮨盛り" 2004. Contax Tvs Digital, Carl Zeiss Vario Sonnar T* F2.8-4.8/35mm-105.

日本人ならマグロ!とか言うわけだけど、僕は別にマグロ好きじゃない。周りでも、あんまりマグロ好きなんていないんだけど、ホントに皆好きなのかな?

大トロとか食べると、ほとんど牛肉だね、というぐらい脂がのっていて甘かったりするが、なら牛肉で良いと思ってしまう。ナマニクの方が美味いじゃ ん。日本人なら!みたいなステレオタイプというか、おきまりみたいなのが気に入らないから、あるいはそんなことを考えるのかもしれないが。


でも、味とかそういうのではなくて、沢山盛り合わせて楽しいとか、そういう鮨もあっていい。そんな時には、確かに鮪があるとなんか絵になる。こうい う所に来ると、メニューを指さして「ここから、ここまで」とか頼んじゃうマネジャーが居て、それどんどん盛れ、みたいな感じになる。

もう盛り合わさって出てきた瞬間に、腹一杯になるようなビジュアルショック。たいていはじっこに追いやられている、着色料丸出しの山牛蒡巻きが、実 はすごく好きなのだが、そんなものにうつつを抜かしているととても完食はできない量。でも、気取らずに沢山食べる、っていうのは楽しい。これからの季節、 マズイ居酒屋で変な忘年会とかするぐらいなら、鮨食って終了とかの方がいいかもね、と思う。


で、また鮪残ってるぞ、誰か食え。(お前が食え)

Photo: 満月 2004. Contax Tvs Digital, Carl Zeiss Vario Sonnar T* F2.8-4.8/35mm-105.

Photo: "満月" 2004. Contax Tvs Digital, Carl Zeiss Vario Sonnar T* F2.8-4.8/35mm-105.

「あー、満月」

と言われて、でも、2人は歩いていたから月は直ぐに建物の影に姿を隠した。僕の方が背が高いから、ちょっとだけ長く月が見えていた。だから、あれが満月じゃないことは分かった。でも、

「うん、そうだね」

と一瞬の間をおいて、言うぐらいの気は利いていた。

「ホントに見えたの?」


夜が更けて、丘の上の道を歩いていると、月がまた顔を出していた。

「あ、満月じゃない」

ちょっとした嘘。少しは嬉しそうにしてもらえた、かもしれない。