あれから数ヶ月

Photo: 2001.7, Suma, Kobe, Japan, CONTAX T3 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/35, Fuji-Film TREBI 400

Photo: 2001.7, Suma, Kobe, Japan, CONTAX T3 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/35, Fuji-Film TREBI 400

そして、あれから数ヶ月。茶碗夫婦のだんなから、

「また遊びに来ないか?」

という誘いが来て、夏の須磨を思いだした。海。砂は熱く、空は高く、汗が流れ落ちた、そんな夏のことだ。


結局、いろんなことが重なって、その誘いを受けることはできなかった。関係の中で生きる僕たちの時間は、いつの間にか、自分だけのものではなくなっていく。不自由なものだ。

そうそう、以前書いた、腕の良いバーテンは、昔の店に帰ってきたらしい。


街が、イルミネーションに飾られ始める頃に、また行こうと思う。あの街に。

子供の頃の夕暮

Photo:2000. Kobe, Japan, Nikon F100, 35-105mm F3.5-4.5D(IF), Fuji-film.

Photo:2000. Kobe, Japan, Nikon F100, 35-105mm F3.5-4.5D(IF), Fuji-film.

夕日の沈む頃、空に電線と団地の階段が交差する景色。それは、僕に子供の頃の夕暮れを思い出させた。

家への帰り道、いつも団地の中を通る坂道を歩き、走った。

あの頃、未来への不安はなかった。失われるなんて、思いもよらないことだったから。


大人になれば、生きることは楽になるのだと思っていた。少なくとも、もっといろいろな事が分かるようになるのだと思っていた。

でも、どうやら、違うらしい。最近の複雑な世の中では、自分の姿を見失うのはあまりにも簡単。

FM COCOLO

Photo: 2001. Suma, Kobe, Japan, Contax T3 Carl Zeiss Sonnar T* 2.8/35,Fuji TREBI 400

Photo: 2001. Suma, Kobe, Japan, Contax T3 Carl Zeiss Sonnar T* 2.8/35,Fuji TREBI 400

茶碗夫婦の家では、あまりテレビは見ないらしい。彼らの家のリビング・ダイニングにはテレビがない。

その代わり、窓際に Sony の小さなラジオが置いてある。僕は、こういう生活に、少なからずカッコ良さを感じてしまう。開けはなった窓の方から、静かにオールディーズが流れている。


神戸では、FM COCOLO がずっとかかっていた。関東の方で言えば、InterFM に近い。今より、もっとまともな多国籍放送だった頃の InterFM だ。

海岸には boston とか、70年代のあっけらかんとした音楽がよく似合った。More Than A Feeling、良い曲だ。そういえば、高校の文化祭で準備をしながら、BGM 代わりにかけてたよな、boston。


注:珍しく、わざわざ構図をつくって撮ってみたのですが、なんか滑稽な絵になりますね。妙なリアリティーの欠落というか。