東京マラソン恐怖の真実

買い物に行こうと、少し遠くの駅に向かって歩いていると、もの凄く交通規制されていて、殆ど車が入れないようになっている。そして、僕の行く先には人垣が出来ていて、週末の都心には珍しく、人出がある。今日は東京マラソンなのか。

僕がマラソンに出くわしたのは、もう午後になってのことで、選手の列ももう後ろの方。頭の上によく分からない謎キャラのマスコットをつけてグループで走る人も居て、結構ゆるい。

僕の目的地は、マラソンコースが完全に遮っていて、進めない。さてどうやってここを突破したものか、ランナーを眺めながら考えていると、はとバスが目に入った。

なぜ、はとバスが?よく見ると、はとバスはマラソンの最後尾にぴったり付けている。あれは何をしているのだ?


どんなマラソンにも、最低限守らなければならない規定のタイムというものがある。最後のランナーが、自分のペースで走り終わるのを待ってくれるマラソン大会は(町内健康マラソンならともかく)多分無い。つまり、はとバスは、規定タイムに間に合わないランナーを、回収しているのだ。

パックマンのモンスターのように、どん尻のランナーがパクパクと食われていく。

そうやって、回収されてしまったランナーはどうなるのか。はとバスがゴールに着いた後、家に帰されるのか。いや、そんな甘いものでは無いかも知れない。東京都最果ての、どこかの離島に連れて行かれ、来年の東京マラソンの記念品を作る労働をさせられるのかもしれない。

恐らく、彼らがビックサイトに帰還できるのは、来年の今頃になるだろう。